横浜ゴムは1月24日、MB事業の海洋関連製品で、2新製品の開発と、「シーフレックス」ブランドのマリンホースで、インドネシアの生産拠点が国際型式認証を取得したと発表した。これにより、シーフレックスについては全拠点で国際型式認証を取得したことになる。
超大型防舷材開発
世界最大となる直径6m
新製品の1つは世界最大となる直径6mの超大型防舷材で、昨年12月に開発した。同製品は洋上でLNG(液化天然ガス)の液化・貯蔵・出荷を行うLNG―FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)から、LNGタンカーへの荷役の際に使用される。
LNG―FPSOは、近年のLNG需要の高まりを受けて増加が見込まれている。LNG―FPSOでは約マイナス160℃のLNGをLNGタンカーへ安全・効率的に荷役しなければならない。
今回開発した超大型防舷材は、従来の防舷材に比べ、LNG荷役中にLNG―FPSOとLNGタンカーの距離を広く保つことができるため、より安全な荷役を実現できる。また、大型海洋構造物など海洋工事分野での活用も期待される。
防舷材の新型口金具
付けたまま検査が可能に
もう1つの新製品は、縦型空気式防舷材に取り付けたままの状態で安全弁の検査が行える新型口金具である。同月から販売を開始する。
空気式防舷材は船舶の接岸または接舷時に、船体と岸壁の損傷防止を目的として、船と船、船と岸壁の間に浮かせて使用する空気を内包したゴム製の緩衝材。縦型空気式防舷材は、海中に船体やその一部が深く沈み込んでいる艦船で使用される。
空気式防舷材には過剰に圧縮された際、内圧の上昇による破裂を防ぐため、内部の空気を放出する安全弁が取り付けられている。
従来、安全弁の検査は空気式防舷材をクレーンなどで陸揚げし、空気を抜くなどした後、口金具ごと安全弁を取り外して行う必要があるため、多大なコストがかかっていた。
これに対し、新開発の口金具は安全弁検査用の圧力容器を口金具背面に設置。手動バルブを閉じることで防舷材本体と口金具の間の空気の通り道を遮断し、防舷材本体を密閉状態にできる構造となっている。
これにより、防舷材を陸揚げすることなく安全弁の検査が行え、大幅なメンテナンスコスト削減が可能になった。
全拠点で国際認証
「シーフレックス」ブランド
「シーフレックス」ブランドのマリンホースについては、海洋製品の生産を行う横浜工業品製造インドネシアが、原油・石油製品の海上移送に使用するに関し、石油会社国際海事評議会(OCIMF)が制定する「GMPHOM2009」の型式認証を全モデルで取得し、昨年11月から出荷を開始した。
この型式認証は、すでに日本の平塚製造所、イタリアのヨコハマ工業品イタリアで取得しており、横浜工業品製造インドネシアが認証を取得したことで、横浜ゴム海洋商品の全生産拠点で国際型式認証を取得したことになる。
横浜工業品製造インドネシアは、バタム島東部のカビル工業団地にある海洋商品の工場で、マリンホース・空気式防舷材を生産している。横浜ゴムは、海洋商品市場で世界トップクラスのメーカーの1社である。