信越化学工業の2019年3月期第3四半期連結決算は、売上高が1兆2068億4200円で前年同期比13・7%増、営業利益は3246億2200万円で同33・4%増、経常利益は3294億300万円で同31・6%増、四半期純利益は2421億2700万円で同39・7%増となった。
塩ビ・化成品事業は、米国のシンテック社において、塩化ビニル、か性ソーダともに高水準の出荷を継続するとともに、両品目の良好な需要環境により、業績が大きく伸長した。また、欧州拠点も市況が底堅く推移し、販売量を伸ばし好調だった。国内拠点は期前半の大規模定期修理の影響により、海外向けの出荷が減少した。この結果、同事業の売上高は3993億5000万円で同9・4%増、営業利益が909億2400万円で同39・5%増となった。
シリコーン事業は、汎用製品、機能製品ともに価格の修正を行うとともに、全世界での堅調な需要に対応して、最大限生産し完売した結果業績が大きく伸長した。これにより、同事業の売上高は1736億9800万円で同13・5%増、営業利益が458億3800万円で同19・2%増となった。
機能性化学品事業は、セルロース誘導体は、医薬用製品が好調な出荷を続けるとともに、建材用製品及び塗料用製品も底堅く推移した。フェロモン製品やポバール製品ほかも総じて堅調な出荷となった。以上の結果、同事業の売上高は923億200万円で同4・6%増、営業利益が209億8400万円で同8・1%増となった。
半導体シリコン事業は、堅調な出荷が継続するとともに、製品価格の修正も寄与し、業績が伸長した。結果、同事業の売上高は2856億1200万円で同26・7%増、営業利益は1039億5700万円で同56・9%増となった。
電子・機能材料事業は、希土類磁石は、昨年の11月ごろから一部用途で在庫調整が見られたが、ハイブリッド車をはじめとする自動車向けが引き続き好調な出荷となった。フォトレジスト製品は、KrFレジスト、ArFレジスト及び多層レジスト材料のいずれも堅調に推移した。マスクブランクスは最先端品に加え、汎用品、先端品も販売を伸ばした。光ファイバー用プリフォームは、昨年10月ごろから光ファイバー需要に減速感が出てきたが、中国の合弁会社での販売は堅調さを維持した。この結果、同事業の売上高は1726億8500万円で同12・0%増、営業利益が524億8700万円で同14・6%増となった。
加工・商事・技術サービス事業は、信越ポリマー社の半導体ウエハー関連容器が高水準の出荷を継続し、好調に推移した結果、同事業の売上高は831億9200万円で同10・7%増、営業利益は105億400万円で同25・9%増となった。
昨年10月26日に上方修正した通期の連結業績予想の見直しはなく、売上高が1兆5600億円で前期比8・2%増、営業利益が3900億円で同15・8%増、経常利益が4000億円で同17・5%増、親会社株主に帰属する純利益が2900億円で同8・9%増を見込んでいる。