日本ミシュランタイヤは4月26日、IoTを活用したタイヤ管理システム「ミシュランTPMSクラウドサービス」を6月1日から、トラックバス向けに提供を開始すると発表した。
「XOne」装着大型車での参考販売費用は、通信費用が月額980円、車載通信端末とTPMS一式の月額リース料が9200円からとなる。販売初年度である2018年に300台の契約を目指していく。
このシステムは同社とソフトバンク、オレンジジャパンの3社が共同で開発した。 ソフトバンクが提供する通信ネットワークを通じて、オレンジジャパンのTPMSの情報をクラウドへ送信し、リアルタイムでタイヤの状況が確認できる仕組みとなっている。
従来は装着タイヤの空気圧やタイヤ内部の温度を運転席の車載モニターで管理していたが、クラウドへ送信することで、車両を運転するドライバーのみならず、運行管理者が複数の車両情報を手元のスマートフォン、タブレット、パソコンなどの端末で一括監視する体制を整えることができ、事故やトラブルを未然に防ぐことが可能となる。
タイヤメーカーとしての実用化は、日本国内初になるという。
また、同社では積載量の拡大や車両重量増に対応するために、ワイドシングルタイヤの「XOne」の導入を運送会社などに提案していたが、運送会社からはダブルタイヤと違いタイヤが1本しかないシングルタイヤは、パンクなどの運行上のトラブルへの不安が払拭されず、導入への足かせとなっていた。
同社B2B事業部の高橋敬明執行役員は「その不安を補うサービスとして今回のシステムを提案したい。ワイドシングルタイヤ「XOne」性能を運用面でより向上させることが可能となる」と話した。
また、TPMSがタイヤの空気圧や温度が設定値を超えるなどのトラブルを検知すると、クラウドを通して運行管理者・タイヤ販売店・レスキューネットワークに当該車両の位置情報やタイヤ情報がメールで送信され、当該車両のドライバーや運行管理者がコールセンターへレスキューを要請すると、コールセンターから出動依頼のあったミシュランレスキューネットワーク登録販売店が迅速に現場に駆け付け故障に対応することが可能となる。
B2B事業部マーケティング部の尾根山純一氏は「安全で経済的なタイヤを提供するだけでなく、TPMSクラウドサービスを使用することにより、タイヤを長持ちさせることがきる。ドライバーは安心して運行ができ、トラブルが発生時でも、運行管理者も情報を共有できる。ドライバーにも運行管理者にも安心安全を提供することができる」と導入のメリットを説明した。