ゴム射出成形機のパイオニアである松田製作所(埼玉県久喜市、鈴木康三社長)は、長年培った確かな技術を活かしグローバルで展開している。
今期(18年3月期)の需要動向は、下半期が上半期よりも受注環境が良く、全体的に販売数量も増加している。その内訳では、海外はここ数年経済が低迷していた中国も一昨年の秋ごろから需要が上向いてきたほか、メキシコの動きも好調に推移。そのほか、東南アジアについては、タイやインドネシアが依然として低迷しているものの、ベトナムへの輸出は堅調だった。
一方、国内は市場が落ち着きを見せているが、鈴木社長は「入れ替えや増設で設備需要が旺盛だった。とくに昨年の年末から忙しい状況が続いている」と述べ、国内と海外の販売比率はほぼ半々となっている状況だ。
今期はグループ内で策定した第2期3ヵ年中計の最終年度に入っており、①海外市場(特に北中米)の奪回に注力する、②試験機・検査機の拡販を図る、③引き続き射出成形機の開発を進める、という3つのビジョンを掲げてきた。
①の「海外市場の奪回」については、昨年ドイツの「DESMA(デズマ)」社と業務提携を結んだことで、北米や南米の販売網がさらに広がり、とくにインドで進出の足掛かりとなったことは非常に大きいという。鈴木社長はこの提携について「デズマ社と松田の技術が加わったことで、多くのお客様から高評価を得ている」と手ご