バンドー化学の2018年3月期第3四半期連結決算は、売上高が682億8600万円で前年同期比3・8%増、営業利益は47億1400万円で同12・2%増、経常利益は52億2400万円で同4・2%増、四半期純利益は39億4700万円で同3・9%増となった。
自動車部品事業については、国内では自動車生産台数が前年を上回る状況で推移し、補機駆動用伝動ベルト(リブエースなど)の販売が増加した。しかし、顧客の海外現地調達化の影響などもあり、補機駆動用伝動システム製品(オートテンショナ、バンドースムースカップラーなど)の販売は減少した。
海外では中国で主要顧客の生産台数の減少により販売が減少したが、アジア地域で積極的な顧客開拓に注力したことにより、補機駆動用伝動ベルト・補機駆動用伝動システム製品・スクーター用変速ベルトなどの販売が増加した。これにより海外では増収となった。
これらの結果、自動車部品事業の売上高は312億8600万円で同44・3%増、セグメント利益は23億6700万円で同17・0%増となった。
産業資材事業については、一般産業用伝動ベルトでは中国で農業機械用伝動ベルトなどの販売が減少したが、アセアン地域、米国・欧州地での販売強化により、農業機械用伝動ベルトや産業機械用伝動ベルトの販売が増加した。
また、国内では民間設備投資需要が増加した影響を受け、産業機械用伝動ベルトとプーリの販売が増加し、全体では販売が増加した。
運搬ベルトについては、国内の石炭火力発電所向けなどの案件が減少し、コンベヤベルトの販売が減少したが、国内と中国で積極的な顧客開拓を進めたことにより、樹脂コンベヤベルト(サンラインベルト)の販売が伸長した。
以上の結果、産業資材事業の売上高は241億6500万円で同3・1%増、セグメント利益は中国での農業機械用伝動ベルトの不振による影響が大きく15億800万円で同0・5%減となった。
高機能エラストマー製品事業に関しては、機能フイルム製品は従来製品の工業用・医療用フイルムの販売は減少したが、事業転換を進めている四輪車・二輪車用外装フイルムの販売は増加した。
精密機能部品については、主要顧客であるOA機器メーカーの増産により高機能ローラとブレードの販売が増加したことに加え、インクジェットプリンターと金融端末機器用精密ベルトなどの販売が増加した。
これらにより、高機能エラストマー製品事業の売上高は113億6800万円で同2・6%増、セグメント利益は販売増に加え、販売構成の変化などにより2億6200万円で同46・7%増となった。
ロボット関連デバイス事業などを行っているその他の事業の売上高は19億1600円で同9・7%増、セグメント利益は新製品開発のための先行投資もあり2億3200万円で同24・1%減となった。
通期の連結業績予想については当初予想から変更なく、売上高が910億円で前期比3・0%増、営業利益は60億円で同1・8%増、経常利益は66億円で同0・4%増、当期純利益は49億円で同1・0%減を見込んでいる。