東海カーボンは2月16日、同社本社で決算説明会を開催し、18年度を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画「Tー2018」の進捗状況を報告した。
長坂一社長は、中計フェーズ2を振り返り、「やりたいことの約8割はやりきった」との考えを示し、その中でも「電極事業の再構築、ファインカーボンの手直しの二つの構造改革により、成長軌道に乗せることができた」と説明した。
数値目標については、最終年度2018年度に売上1100億円、営業利益90億円、ROS8%の目標を掲げているが、2017年ので売上1060億円、利業利益115億円、ROS11%となり、最終年を待たずして、営業利益とROSの目標値は達成した。売上についても、18年には1740億円を予想しており、最終年に達成する見込み。
また、ROIC6%の数値目標については、「8%となり、前倒しで目標を達成した。18年はさらに数値が伸び、25%を超える」と説明した。
内部意識の改革については、「まだまだ道半ば」だとし、人材の活性化、技術力の向上をさらに継続して推進していく方針を示した。
また、フェーズ3でも引き続き、収益性改善、事業領域拡大、M&Aの3つの成長戦略を進めていくとした。そのなかで、カーボンブラック事業については、東南アジア市場の伸長に合わせたタイの増産、研究開発のスピードアップ、水性カーボンブラックのプラント増設の完了と販売拡大によるインクジェットプリンター用インク市場への展開などを挙げた。
M&A等による成長戦略については、既存事業領域、電子部品・自動車関連部品への事業領域拡大、戦略投資枠として約500億円を投資する方針を明らかにした。
決算説明を行った松原和彦経理部長は、主な増収増益要因として「売上面ではカーボンブラックの数量増と売価上昇、利益面ではマージンの改善、構造改革の効果現出」を挙げた。
カーボンブラック事業については、「中国カーボンブラックメーカーの攻勢が弱まるなか、タイヤメーカーからの引き合いが活発化した事に加え、原料価格上昇に伴う販売価格改定などにより」売上が約3割増加した。
利益面についても、「タイを中心とした海外子会社の数量増、マージン改善が進んだ」ため、営業利益が大幅に増加した。
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