三菱ケミカルは2月19日、ポリ塩化ビニル(PVC)系エラストマー「サンプレーン」で、耐寒性を大幅に高めた新シリーズの本格的な販売を開始したと発表した。
サンプレーンは、PVCが本来有する成形性・耐油性などに加え、独自のコンパウンド技術によって、ゴム弾性などの機械特性や上質な意匠性などが付加されたPVC系のエラストマー。自動車・建材分野などの幅広い分野で採用されている。
一般的にPVCは機械特性の温度依存が高く、使用環境による影響が受けやすい素材と言われており、低温環境下ではPVCが硬くなることでゴム弾性が低下してしまう。
今回開発した新シリーズは、独自のポリマーアロイ技術により、サンプレーンが従来有する特長を保ちつつ、耐寒性が大幅に向上している。そのため、低温環境下であっても物性変化が少なく、高いゴム弾性を発揮することができる。
新シリーズは、すでに国内自動車メーカーの自動車外装モールに採用されており、走行時の異音(風切音)発生を防ぐことができる素材として高い評価を得ている。
今後大きな需要が見込まれることから、国内だけではなく米国などの海外拠点での生産も検討しており、グローバルに用途開拓を進めていく予定だ。