横浜ゴムの2017年12月期連結決算は、売上高は6680億4900万円で前年同期比12・1%増と過去最高の売上高となった。利益面では、営業利益が519億3300万円で同22・7%増、経常利益が528億8700万円で同35・2%増、親会社株主に帰属する当期純利益は352億1700万円で同87・5%増となった。
なお、火災による固定資産やたな卸資産の滅失損失及び異常操業損失等の損失金額は、通期の連結業績において、41億7600万円の特別損失を計上した。フィリピン工場の復旧は、18年下期にラインの半分である日量約3000本が復旧、20年末に完全復旧する予定で、21年には従来程度の生産量に戻る見通し。
営業利益の増減要因については、原材料価格で159億円、固定費で14億円の減益要因はあったものの、販売量で13億円、値上げなどによる価格MIXで137億円、コスト改善などによる製造原価で27億円にATG営業利益59億円が増益要因となり、96億円の増益となった。原材料要因の内訳は天然ゴムで62億円、合成ゴムで64億円、配合剤19億円、その他で14億円のマイナスだった。
タイヤの売上高は、4816億3900万円で同6・9%増、同社グループの総売上高の72・1%を占めている。営業利益は、400億6100万円で同10・3%増となり、営業利益全体の77・1%を占めている。新車用タイヤの販売は、アジアを中心とした海外が好調で、販売量、売上高ともに前期を上回った。また、プレミアムカーへの新車装着も順調で、国内外のカ―メーカーに数多く採用された。市販用タイヤの販売は、国内では9月に発売したスタッドレスタイヤの新製品「アイスガード6」が好調に推移したほか、11月には、ヨコハマ史上最高の静粛性を提供するプレミアムコンフォートタイヤ「アドバンdBV552」を発売するなど、高付加価値商品の販売を中心に好調に推移し、販売量、売上高ともに前期を上回った。また、海外においても、東南アジア、ロシアを中心に好調に推移した。
MB(マルチプル・ビジネスの略)の売上高は、1141億8500万円で同1・8%増、同社グループの総売上高の17・1%を占めている。営業利益は、77億500万円で同2・9%増となり、営業利益全体の14・8%を占めている。ホース配管事業は、中国及び国内での建機市場の回復を受け、売上高437億円で同3・3%増。工業資材事業は、海外におけるコンベヤベルト及び国内での土木市場関連商品が好調だったことに加え、為替等の影響もあり、売上高は286億円、同5・4%増。ハマタイト・電材事業は、国内及び海外で自動車用接着剤が引き続き好調で、売上高262億円、同5・7%増。一方、航空部品事業は、民間航空機向けが低調で売上高156億円、同12・3%減となった。
ATGの売上高は634億3200万円で、同社グループの総売上高の9・5%を占めている。営業利益は、31億9200万円となり、営業利益全体の6・1%を占めている。新車用タイヤ、補修用タイヤとも、農業用機械需要が回復したことから売上高は想定どおりに推移した。
2018年12月期通期の連結業績予想は、売上収益が6700億円、事業利益が630億円、営業利益が600億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益が400億円を見込んでいる。