協和化学工業の前年度(17年3月期)の業績は、増収増益だった。宮田茂男社長はその要因として、特に東南アジアと中国での工業用途の合成ハイドロタルサイトの販売増を挙げた。
合成ハイドロタルサイトは、塩ビの安定剤として使われている。塩ビはアジアを中心に世界的に需要が拡大しているものの、人体などに対する悪影響への懸念から、非鉛系安定剤が求められるようになっている。
そこで脚光を浴びているのが、マグネシウムとアルミニウムの塩基性炭酸塩が主成分の同社の「アルマカイザー」「マグセラー」だ。前年度は前々年度に比べ1割ほど販売が増加した。
伸びが大きい東南アジアと中国のうち、中国では政府が「脱鉛」を進めていることから、中国工場での生産が需要に追いつかなくなっている。このため設備の増強を計画しており、完成までは不足分を坂出工場とオランダ工場から補う方針だ。
同社では現在、一昨年7月に就任した宮田茂男社長の下、「マグネシウム事業で世界ナンバーワンを目指す」の方針を掲げ、その実現のために思い切った改革に着手している。
製品については、新製品を上市するとともに、既存の全製品の性能を大幅に向上させる根本的なリニューアルに取り組んでいる。新製