日本ベルト工業会がこのほどまとめた2010年年間のゴムベルト生産実績はゴムベルト内需が前年比12%増の2万1149㌧、輸出が同10%増の7519㌧でゴムベルト生産合計で同12%増の2万8668㌧と内外需ともに2ケタの伸びを記録した。
2010年は景気刺激策が追い風となり自動車、液晶半導体装置、建設機械など需要先の生産増や需要旺盛な中国向け輸出が増加し、伝動ベルトの伸長で生産全体を押し上げた。
主力のコンベヤベルトは同3%増の1万4877㌧、このうち内需が同1%増の9140㌧、輸出が同7%増の5738㌧であり、内需・輸出とも上期ベースま では主力需要業界の鉄鋼、セメント、電力・ガス向け及び輸出も前年実績割れが続き多品種に比べて回復が遅れていたが、第3四半期より徐々に回復し、12月 単月でのコンベヤ輸出は前年同月比76%増と下期後半からの輸出伸長が顕著となってきていた。
一方、伝動ベルトは歯付ベルト、V・ファンベルト、その他ベルトともに好調に推移し、内需が同23%増の1万2009㌧、輸出が同20%増の1781㌧と なり伝動ベルト合計で同23%増の1万3791㌧となった。需要の約55%を占める自動車の増産により、内需も輸出も好調時の2008年度比96・5%ま で回復した。
同工業会が先に発表した2011年度のゴムベルト生産量予測は3万1561㌧、同109%と、3年振りの3万㌧の大台回復を予想。内需はエコカー補助金の 打ち切り、円高による需要先生産の海外シフトなど先行き厳しく不透明な経済環境であるが、輸出は新興国資源需要向けコンベヤベルトを中心に伸びが期待でき ると予測している。
伝動ベルトは自動車生産がエコカー補助金打ち切りの影響が直撃し、2010年10月には前年比約90%と1年振りの低水準となり、更に円高、製造業の海外生産シフトなどの影響を勘案し、需要は横ばいの状況が続くと予測。
樹脂ベルト
100万平方㍍の大台を回復
食品、物流、鉄鋼・非鉄での需要回復
樹脂ベルトの2010年年間の生産量は100万1886平方㍍、前年比113%、出荷金額は111億3100万円、前 年比110%となり、大口の食品や食品機械、物流・物流機械に加えて精密機械、鉄鋼・非鉄などほとんどの分野で需要が回復し100万平方㍍の大台を確保し た。
素材別ではPVCが18万1447平方㍍、前年比114%、ポリウレタンが68万2409㌧、同116%、その他が13万8030㌧、同101%となって いる。2011年度の需要予測については前年比109%の110万3063平方㍍を予測。主要需要先の食品・食品機械向け需要は底固く、物流・物流機械、 精密機械の需要も好調に推移する見通しから2ケタ近い伸長を予測した。