ナフサやスチレンモノマーなどの原料市況の上昇を背景に、対象製品の製造コストは自助努力の範囲を超えて大幅に上昇していることから、スチレン系熱可塑性ェラストマー各社が製品の安定供給維持のためには価格改定を実施せざるを得ないという判断に立ち、製品価格の値上げに踏み切った。
旭化成は1月9日、スチレン系特殊透明樹脂・スチレン系熱可塑性エラストマー・水添スチレン系熱可塑性エラストマーを、16日出荷分から15円/kg以上の値上げを実施した。
引き続きクラレは2月15日、水添スチレン系エラストマー「セプトン」「ハイブラー」、TUポリマーを3月1日出荷分からグローバルで0・25USドル/kgの値上げを実施した。
最後にクレイトンポリマージャパン㈱がブタジエン、イソプレン、スチレンモノマーなど原料価格の高騰に伴う製品コストの上昇に対応するため、SBS、油添SBS、SEBS、SEPS製品を3月20日出荷分から30円/kg値上げすると発表。
ナフサなどの主要原材料市況は昨年晩秋から上昇を継続しており、対象製品のユーティリティを含む製造コストの上昇は、自助努力によるコスト吸収の範囲を超えるものとなっており、各社は安定供給の維持と採算改善のために値上げを実施する。