【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情23 中国の環境規制の現状(後編) 加藤進一

2018年04月19日

ゴムタイムス社

 前回に引き続き、中国で行われている環境規制によって、影響を及ぼすゴム産業について述べていきます。

 ゴム薬品、促進剤、老化防止剤は、実際にはこれらの薬品の供給をほとんど中国に頼っていましたので、昨年は、供給減、価格3割UPとなり、どこも大変です。日本のゴム薬品メーカーもその原料、中間原料、またはほぼ製品のまま中国から持ってきていたグレードがあり、その分は¥100/kg以上の値上げになりつつあります。スコーチ防止剤のCTP(PVI)に至っては世界の5大メーカーがすべて中国にあり、そのうち3社が工場停止命令、2社が減産命令を受けており、大幅な供給減と値上がりになっています。

 最近では、クロロプレンゴム不足も中国が原因です。世界の総生産能力の1割を占める中国の長寿化工社が強制停止し、工場移転命令を受けて、止まっています。世界の需給バランスが崩れました。この会社の移転後の新工場の稼働まで世界のクロロプレンゴムの不足が続きます。

 また、シリコーンゴムも原料の金属ケイ素の中国での生産が減っており、世界的な不足の1つ原因になっています。半導体産業の景気が良いので、そちらに原料が持っていかれるという原因もあります。

 さらに、フッ素ゴム

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