本紙はゴム企業とゴム関連企業に対し、18年度の新卒採用状況に関するアンケート調査を実施した。回答のあった22社の新卒採用者数は1029人。昨年も回答のあった22社の新卒採用者数は1105人で、昨年に比べて76人減った。景気回復が続く中、ゴム産業の採用意欲は高まっているものの、昨年154人を採用したブリヂストンの採用が減ったことで総数ではマイナスとなった。
18年度の採用状況を最終学歴で見ると、大学院卒が361人、大卒が273人、短大・高専・専門学校卒が26人、高卒が369人となっている。女性の採用者数は232人で、女性の採用も着実に進んでいる。
技術系、事務系で見ると、現業部門の技術系高卒者が345人で最も多く、次に高度な専門知識を持つ大学院卒が317人と続いている。この傾向は昨年から変わっていない。なお、事務系では大卒の179人が最多であった。
また、昨年に比べて新卒採用を増やしたか?の問いでは、回答があった21社のうち11社と半分以上が採用を増やしたことが分かった。
採用を増やした企業にその理由を尋ねたところ、「受注増に対応するため」(朝日ラバー)、「業務拡大のための増員」(住友理工)、「業務繁忙のため」(丸五ゴム工業)、「各工場の中長期的展望に基づく生産量拡大に備えて採用を増やす」(住友ゴム工業)など、受注増や業務拡大で採用を増やした企業が目立つ。
その他では、「将来の定年退職者の増加を見込み、人材育成の必要性を感じた」(タイガースポリマー)、「人員の拡充」(クリヤマ)というように、持続的な成長を見据え、人員の育成・拡充で対応しようとする姿も浮かび上がった。
一方、採用が減ったのは5社。減った理由については、「採用すべき優秀な人材の辞退が多かった」(バンドー化学)、「採用活動が難化した」(オカモト)といった回答がみられた。売り手市場が叫ばれる中、企業の採用活動は今後ますます厳しくなることが予想される。
採用に当たって重視した点については(3つまで選択)、事務系では「コミュニケーション能力」