国内のCMBメーカーが相次いで子会社化された。昨年11月にピストンリング国内大手のTPRがノブカワを子会社化、今年2月にはデンカがCRKへの出資比率を、これまでの53%から100%へ引き上げ、完全子会社化した。
TPRはエンジン内燃機関の機能部品であるピストンリング、シリンダライナなどを主力製品として事業展開しており、産業用ゴムシール部品をはじめ、各種ゴム製品も販売している。
優れた特性がある押出成形製品や防振パッドなどを開発するノブカワを買収することで、ゴム事業規模の拡大を目指す。
一方、デンカは2018年度よりスタートする中計「Denka Value―Up」の成長戦略の一つである「基盤事業のスペシャリティー化」に基づき、CRKを完全子会社化した。
デンカの素材開発力とCRKの製品開発力により、スペシャリティー化を加速していくとしている。CRKは各種コンパウンドのほか、コンパウンドの後工程で開発・製造している熱膨張性耐火材、止水材などニッチで付加価値の高い製品を開発している。
ノブカワとCRKに共通していることは、基本となるコンパウンド事業のほかに、付加価値の高い製品を開発していることだ。
今回の子会社化の流れは、米国のCMB業界の動向に近づいてきているとも言える。加藤事務所の加藤進一氏によると、米国ではこの15年間、中堅ゴム練り会社が次々と大手2社に買収され、現在では2強プラス特殊練り専門中小ゴム練り会社となっているという。
今後も国内CMBメーカーの業界再編の動向に注視する必要がありそうだ。
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