JSRがヨーロッパのハンガリーで建設を進めている低燃費タイヤ向けの「溶液重合スチレン・ブタジエンゴム(S―SBR)」の新プラント(6万t)が2018年度中に稼働する。同社はハンガリーの総合エネルギー会社、MOL(ブダペスト)と2013年に溶液重合スチレン・ブタジエンゴム(S-SBR)の製造・販売を行う合弁会社(出資比率JSR51%、MOLが49%)を設立。
同社では新中期経営計画「JSR 20i9」でS―SBRのグローバル市場でのNo.1獲得を目指しており、四日市工場(年産6万t)、タイ(第2期含み同10万t)の計16万tの生産能力を有し、タイ工場第2ラインのフル稼働化で供給キャパシティの増強を図ってきた。今年度稼働するハンガリー工場(同6万t)を含めると同社のグローバルでの生産能力は年産22万t体制となる。
合弁会社が位置する中央ヨーロッパのハンガリーは、大手タイヤメーカーの集積地である西欧や、タイヤ生産の拡大が見込まれる中東欧・ロシア連邦・トルコ共和国に近いことに加えハンガリー国内にも大手タイヤメーカーが進出しており、市場へのアクセスに優れている。また、MOLは中東欧を代表する石油・ガス会社であり、S―SBRの原料を合弁会社に安定的に供給することができる。
新たにハンガリーに事業拠点を確保することで、日本・タイ・欧州の3極によるグローバルな供給体制が構築され、「タイの第2期