三菱ケミカルは4月4日、同社とサウジ基礎産業公社(以下「SABIC社」)との合弁会社であるザ・サウジ・メタクリレート・カンパニー(以下「SAMAC社」)は、サウジアラビアにおいてメタクリル酸メチル(MMA)モノマー及びアクリル樹脂成形材料(PMMA)のプラントを建設、運転最適化の最終確認作業が完了し、4月2日から本格運転を開始したと発表した。
同社は試生産により製造されたMMA及びPMMAが製品仕様に適合することを確認した上、昨年11月から一部出荷を開始していた。
SAMAC社は、強いコスト競争力を持つサウジアラビアのガス原料、ユーティリティー、インフラを最大限活用し、エチレンからMMAモノマーを製造する同社グループ独自の技術「新エチレン法(アルファ法)」を用いた世界最大規模のMMAモノマープラントと、MMAモノマーを主原料とするPMMAプラントを立ち上げ、運営することを目的として設立された。世界のMMAモノマー需要は、今後も世界経済の成長とともに堅調な伸びが見込まれており、同社はSAMAC社を、アジアを中心に、ヨーロッパ、中東、アフリカなどの市場にも対応する戦略的な供給拠点として活用していく。
また同社は、米国におけるシェールガス由来のエチレンを原料にした新エチレン法(アルファ法)の25万トンMMAモノマー製造設備新設について、事業化調査を実施している。今後、同社は、MMA事業の競争優位性を維持するため、サウジプラントの安全安定運転に注力し、米国での新設計画を含めて世界各地域に配置するプラントの最適な生産体制を構築していくとしている。
SAMAC社はサウジアラビア王国アルジュベイル地区に所在。2014年6月9日に設立され、資本金は13億5000万サウジリヤル(約3億6000万USドル)。資本構成は同社が50%、SABIC社が50%となっており、事業内容は、MMAモノマー(年産25万トン)およびPMMA(年産4万トン)の製造。