エラストミックス(三重県四日市市、阿部一至社長)の17年の需要動向は、自動車向けが堅調に推移し、前年と比較すると同社のCMBの需要増につながった。
ただし、国内市場におけるコスト競争が厳しくなっている現状があったため、国内の業績は、ほぼ横ばいだった。
一方、海外は中国の環境規制が厳しい影響があり前年より若干の減少だった。
タイは自動車関連の需要が回復したほか、自動車部品メーカーへの輸出も伸長した。インドネシアは自動車の生産台数の伸びに比例し、堅調に推移した。
そのほか、メキシコは年初から本格的に稼働しはじめ、量産を開始。サンプル評価を待っている状況だ。
こうしたことから18年3月期では、阿部社長は為替の影響も含めた上で「中国を除く、東南アジアは好調をキープ。日本については前年並みだった。その結果、生産量や売上は伸びたものの、利益は微減だった」と振りかえった。
同社では、今後の市場を踏
そのために、前期から引き続き、原料から配合、練り、評価、加工までの知見と設備を向上させることによって、他社との差別化を図る「バリューチェーンの強化」にも注力している。
また、海外では、中国は環境規制の課題を解決した上で、外資やローカル系など非日系のユーザーへの拡販を進めていく計画があるとし、「今後の中国市場の流れのなかで、外資やローカル系の生産管理に対応していく必要がある」(阿部社長)としている。
堅調に推移しているタイやインドネシアについては、今後の市場の動きにより、設備の増強などをしていく方針だ。
前期は、同社の3ヵ年計画の1年目が終了。海外をさらに強化していくことを主なテーマとして掲げている同計画について、阿部社長は「前期の最大の課題だったメキシコの立ち上げが順調に進んだ。インドネシアやタイの業績が好調に推移したものの、中国は環境の変化が急激に起こり、1年目だけでは、その対応が厳しかった。2年目に対応していく」と評価した。
今後も、50年以上培ってきた技術とノウハウの持ち合わせたコンパウンドのリーディングカンパニーとして、国内外で個々の対話を重視しつつ、さらにソリューション型の提案を強化していくことで、国内外の需要増を目指していくとしている。
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