18年度を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画「T―2018」を進める東海カーボン(東京都港区、長坂一社長)。同社のカーボンブラック事業の足元の動向や今期の見通し等について、真先隆史カーボンブラック事業部長に聞いた。
―足元の動向について。
17年は国内外の全拠点でフル生産となり、売上が前年比で約3割増加した。国内の3工場の総生産量は約20万t、内訳は知多工場が約10万t、石巻が5万t弱、若松が5万t強。海外では中国・天津が約7万t、タイが約18万t、カナダが約4万tとなっている。
―好調の要因について。
ひとつは顧客先の生産の好調、2つ目はタイからの輸入品の数量が落ち、その補填分の注文が入ったこと、3つ目には中国製品の競争力の相対的な低下が挙げられる。
また、石巻の系列と天津の系列を閉鎖し販売規模に合わせたサイズダウンを行うなど構造改革の効果も出ている。
―原材料の調達について。
昨年に引き続き厳しい。特に石炭系原料油では、中国政府の環境規制で原料油の源となるタールの発生量が減少、中国からの数量が非常にタイトな状況だ。需給バランスの崩れで原材料価格にプレミアムが付き、改善が困難。安定供