国内タイヤ4社の海外生産比率が着実な拡大を見せている。ブリヂストンはすでに海外生産比率が7割に達する他、住友ゴムは約6割、横浜ゴムは5割強、東洋ゴムは4割強となっている。新興国を中心とする自動車保有台数の増加に伴い、タイヤ4社は、市場に近い地域で生産する「グローバル最適地生産」の確立を目指し、さまざまな施策を推進している。
タイヤ4社の16年末と17年末の海外生産比率を比較すると、ブリヂストンは74%から75%、住友ゴムは57%から58%、横浜ゴムは49%から55%、東洋ゴムは42%から45%と、各社いずれも前年に比べて上昇した。
ブリヂストンは、米州、欧州、中国、東南アジアの既存工場で生産能力増強に動いている。
例えば、欧州では昨年10月、欧州子会社のブリヂストン・ヨーロッパ・エヌヴィー・エスエー(BSEMEA)が、乗用車用ラジアルタイヤを生産するポズナン工場(ポーランド)とブルゴス工場(スペイン)、トラック・バス用タイヤを生産するスタルガルト工場(ポーランド)の生産能力を増強すると発表した。
なお、同社の17年12月期の海外生産を見ると、米州で車両生産の減速感があったものの、グローバル全体では市販用、新車用とも生産は好調に推移した。
住友ゴムは2月に発表した新中期計画で、17年の売上収益に占める海外比率約6割と事業利益に占める海外比率約4割を、22年にはどちらも7割以上とする目標を設定した。
具体的には、欧米事業の拡大に注力した取り組みをさらに推進し「欧州・アフリカ」「アジア・大洋州」「米州」の3極のうち、欧州・アフリカと米州の売上収益・事業利益を22年に4割以上に拡大する。
また、生産面では生産能力増強計画を進めている米国工場とトルコ工場を最大限に活用する方針だ。
横浜ゴムも2月に発表した新中期計画で、タイヤ消費財事業では「プレミアムタイヤ市場における存在感のさらなる向上」、タイヤ生産財事業