カーボンブラック特集 三菱ケミカル 高機能品に注力 原料一貫調達が強み

2018年05月11日

ゴムタイムス社

 スペシャリティー化を一段と推し進める三菱ケミカルのカーボンブラック事業。炭素部門炭素本部カーボンゴム事業部長の津田昌生氏に現況や事業戦略などを尋ねた。

―事業内容について

 三菱ケミカルのカーボンブラックは国内2工場(三重県四日市市と福岡県北九州市)で生産されており、生産能力は両工場合わせ約10万t。コークスからの一貫生産により、グループ内で品質が高い原料を安定的に調達できることが当社の最大の特徴だ。これにより、品質の良いカーボンブラックをコスト競争力がある形で安定供給することができる。また、カラー用カーボンブラックでは国内で半数程度のシェアを確保している。

―昨年の需要動向は

 旺盛な需要により販売数量は伸長した。工場も高い稼働率を維持できたが、工場設備の老朽化対策や修繕費用などにより、利益面では横ばいとなった。工場の修繕は長期的な視野に立ち、腰を据えて行う予定だ。老朽化・耐震・安全に関する対策への投資を数年かけて続け、設備の長期使用を目指していく。

 また、カラー用カーボンブラックの価格改定を4月納入分より実施した。原料費の高騰に加え、物流経費の上昇、事業を継続する上での基盤コストも増加している。安定的な製品供給を継続するためには価格改定が必要だと判断した。カラー用カーボンブラックの値動きは元々少なく、価格改定は13年以来約5年ぶりであったが、周辺環境について顧客の理解を得て、当社要望が概ね受け容れられた。

炭素部門炭素本部カーボンゴム事業部長の津田昌生氏

炭素部門炭素本部カーボンゴム事業部長の津田昌生氏

―販売戦略は

 ゴム用カーボンブラックで

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