ブリヂストンは4月18日、都内で同社が技術支援するパラトライアスロンの秦由加子選手が使用する義足用の新型ゴムソールの発表会を開催した。
同社は東京パラリンピック2020を目指す秦選手に対し、昨年からパラトライアスロン競技のランパートで装着する義足用のゴムソールを提供している。今年は「グリップはそのままで、3~4ヵ月使いたい」という秦選手のリクエストに応えるため、タイヤ開発技術を応用した新型ゴムソールを開発した。
発表会では、イノベーション本部長の迎宇宙氏、イノベーションマネジメント部主任部員の小平美帆氏、デザイン企画部の糸井大太氏、イノベーション推進部の桜井秀之氏の開発チームがそれぞれの取り組みを紹介。その後、ゲストとして秦選手が登場し、トークセッションを行った。
迎本部長は「パラアスリートの技術支援に至った想い」について述べ、「当社はタイヤを始めとするゴム製品を用いて事業を展開し、ソフトマテリアルズの領域で多くの経験と知識を持っている。この強みを生かし、個々の人が抱える問題や悩みをより改善するためのアプローチを行っている。パラアスリートである秦選手への支援もその一環だ」と説明した。
次に、小平氏が「秦選手へのサポート支援の概要」を紹介し、「昨年開発したゴムソールは秦選手のニーズであったグリップを重視したものとなっており、シーズンを通して滑らない、安心して走れるとの評価ををいただいている」と述べた。
また、今後は東京2020を目指し練習量も増えることから、グリップはそのままで、より耐摩耗性を向上したソールを開発するため、タイヤ開発の「計測・分析技術」を用いて、最適なパタン(溝)とゴムを設計した。
続いて糸井氏が「計測・分析及びパタン開発」を解説し、開発にあたっては、実際に秦選手が走る際にソールが地面に接してから離れるまでの接地面にかかる力や挙動の計測・分析を行った。それによると、接地面には瞬間的にトラック・バス並みの圧力がかかることが分かり、その圧力に耐えられるソールの開発を目指したと述べた。
さらに桜井氏が「新型ソールにおけるゴム素材開発」を説明した。耐摩耗性能とグリップ性能は相反する性能
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