東レは4月18日、インド南東部にナイロン樹脂及びPBT樹脂コンパウンド生産設備を新設すると発表した。
同社のインド現地法人Toray Industries (India) Private Limited (略称:TID)が新設するもので、耐熱性や耐薬品性、機械強度等に優れ、自動車の電装部品や電気・電子用コネクター等に使われるナイロン樹脂及びPBT樹脂コンパウンドの生産拠点となる。
アンドラ・プラデシュ州スリシティーのTID事業拠点に年産約5000tの設備を導入し、2019年9月からの稼働を目指す。
インド経済は2016年から2030年にかけ年率6%の高い成長が見込まれる有望な市場で、所得水準の向上に伴い自動車や家電等、高級品や高付加価値品の需要が拡大している。中でも自動車市場は、2025年に向けて年率7%と大きな伸びが見込まれており、自動車用途のエンジニアリングプラスチックの需要拡大が予想される。特に、近年の環境規制強化の流れにより、自動車用途を中心に、顧客要求特性の高度化が進み、同社が得意とする高機能素材のニーズが高まることが考えられる。
今回の拠点新設は、その動きに対応して現地生産による安定供給とリードタイム短縮、在庫・デリバリー、現地開発力等の機能を強化するのが目的で、同社は自動車用部品、家電用部品など、今後拡大が期待されるインドでのエンジニアリングプラスチック需要をいち早く確実に取り込み、インドでの一層の事業拡大を目指す。
同社は、中期経営課題「プロジェクト AP―G 2019」の基本戦略の一つとして「グローバルな事業の拡大と高度化」を推進しており、今回新設する設備を、インド内需のみならず、南アジアを主とするグローバルオペレーションの拠点として活用していく計画だ。今後も海外拠点の拡充と有機的な連携をさらに強化し、グローバルな事業拡大を強力に推し進める方針だ。