カネカは4月20日、完全飽和型イソブチレン系熱可塑性エラストマーの開発が、今年度の「科学技術分野の文部科学大臣表彰」で科学技術賞を受賞したと発表した。
受賞したのは5つある科学技術賞のうち開発部門で、17日に文部科学省で表彰式が行われた。
イソブチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン―イソブチレン―スチレンブロック共重合体。以下SIBS、商品名「SIBSTAR」)は、リビングカチオン重合法を活用して作られるゴム弾性を有する素材で、世界に先駆けて工業化したことが評価され、今回の受賞となった。
SIBSはプラスチックと同様の成形加工が可能であり、完全飽和型で耐熱老化性に優れ、また、そのゴム成分であるポリイソブチレンは、ブチルゴムと同様に柔軟性、粘着性、ガスバリヤー性、制振性などの特長を持つため、シール材、粘着剤、チューブ、制振材などの用途に使用されている
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同社は今後も食品包装、電気・電子、建築などのさまざまな分野で用途拡大を進めていくことにしている。