宇部興産は4月19日、熱量比10%以上で混焼可能な木質バイオマス燃料を開発し、山口県宇部市に実証設備を建設すると発表した。
同社が開発した木質バイオマス炭化燃料は、耐水性や石炭との混合粉砕性を大幅に改善した、トレファイドペレットと呼ばれる木質バイオマス炭化燃料。地球温暖化対策の一環として再生可能エネルギーの1つである木質バイオマスの利用を推進するため開発を進めていたもので、石炭火力発電所において熱量比10%以上で混焼が可能となる。
一般的な木質バイオマスを石炭火力発電所で石炭と混焼する場合、専用のハンドリング設備が不可欠だったが、トレファイドペレットには石炭と同等のハンドリング特性があるため、混焼が容易で、専用のハンドリング設備が不要になる。
今回実証設備を建設する目的は、環境負荷低減に貢献するトレファイドペレットを商品化することと、使用に際し発電所側で追加投資を伴わない石炭との混合保管・輸送・粉砕・混焼事業モデルを、同社のコールセンター及び石炭火力発電所(216MW設備)を用いて実証すること。年間6万tの生産能力を持つもので、今月から着工し、2019年10月から生産を開始する予定。
同社は中期経営計画の基本方針として「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」に取り組んでおり、引き続きサプライチェーン全体でエネルギー使用量削減・廃棄物利用拡大等による温室効果ガス削減に努めるとともに、環境負荷低減に貢献する技術・製品の創出・拡大をより一層推進することにしている。