18年1~4月値上げ〈工業製品〉原料費・物流費上昇に各社対応

2018年04月25日

ゴムタイムス社

 2018年1月から4月にかけて、粘着テープや断熱材などの工業製品の価格改定が相次いだ。原料費の高騰に加え、梱包材などの副資材費や物流費の上昇も重なり、各メーカーは値上げを実施した。

 クラレとクラレトレーディングは、メタクリル樹脂(PMMA)押出板とキャスト板の価格を改定し、PMMA押出板「コモグラス」、PMMAキャスト板「パラグラス」、PMMA押出ミラー板「コモミラー」について、4月23日出荷分から15%値上げした。

 原料であるMMA及びPMMAの価格が大幅に上昇した上、物流費と梱包資材も高騰し、採算が大幅に悪化したため、安定供給を維持するために値上げを決定した。

 デンカは、「デンカサーモシートBOPS」「デンカスチレン系シート」を、1月15日出荷分から1kg当たり10円以上、次いで4月20日出荷分より1キログラム当たり10円以上、2段階にわたり値上げした。

 ベンゼン・ナフサ価格の高騰により、両製品の主原料であるポリスチレンの価格も上昇したため、製造コストが上がり、合理化努力では対処出来ず、安定供給と事業継続に向け値上げを実施した。

 デンカはまた、粘着テープ製品の価格も改定し、「PVCテープ」「包材テープ」全製品を4月1日出荷分から10%以上値上げした。

 原燃料価格の高騰による各種原材料や副資材、ユーティリティコストなどの上昇に加え、人手不足による物流費なども大幅に上昇し、自助努力で吸収できる範囲を超えたため、製品の安定供給と採算是正のために価格改定を実施した。

 カネカは、住宅などの断熱材として広く使用されている押出法ポリスチレンフォーム「カネライトフォーム」全品種を4月1日出荷分より20%値上げした。

 主原料ポリスチレン樹脂の価格が高騰したほか、ユーティリティーコストや物流費が上昇し、自助努力だけでは限界に達し、安定供給のために需要家への価格転嫁を実施せざるを得ないと判断した。

2018年1~4月値上げ一覧表工業用品

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