ニュースの焦点 成長する食品用ゴム・樹脂製品

2018年04月26日

ゴムタイムス社

 ベルトやホース、手袋といった食品産業に使われるゴム・樹脂製品が堅調だ。生活必需品である食品は、他の産業に比べ景気変動の影響を受けにくい。食中毒事件などで安全・安心に対する消費者の目が厳しさを増すなか、製造工程で衛生管理や異物混入を防ぐ製品が販売を伸ばしていることもその要因だ。

 食品向けのゴム・樹脂製品が伸びていることは統計を見ても明らかだ。例えば、昨年の樹脂ベルトの生産量は約120万㎡で前年比10%増(日本ベルト工業会調べ)と伸長した。最大の需要先である食品産業向けの販売が順調なためで、三ツ星ベルトやバンドー化学、ニッタ、フォルボ・ジークリング・ジャパンなどの各ベルトメーカーは粘着性や耐熱性などの機能を付けた高付加価値品の開発に注力し、さらなる市場開拓を狙う。

 こうした動きはホースや手袋でも広がる。トヨックスや東拓工業などは柔軟性や耐熱性に優れた食品用ホースに注力、ショーワグローブやダンロップホームプロダクツなどは食品衛生法に適合した使い切り手袋の拡販に力を入れる。

 食品衛生管理の手続きを定めた国際基準であるHACCP(ハサップ)の義務化も追い風となりそうだ。政府は今年3月、食品を扱う全事業者に対しハサップの順守を制度化する食品衛生法改正案を国会に提出、東京五輪までの施行を目指す。

 農水省によると、ハサップを導入するのは大手事業者が中心で、16年度の導入率は3割にとどまる。今後義務化されれば小規模事業者でも衛生管理に向けた取り組みが加速しよう。食品向けのゴム・樹脂製品が活躍する場面は増えそうだ。

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