BASFは4月24日、韓国・麗水(ヨス)の同社のプラントで、ポリアリールスルホン樹脂「ウルトラゾーン」の新製造ラインを稼働させたと発表した。
「ウルトラゾーン」は、同社のポリエーテルスルホン樹脂(ウルトラゾーンE)、ポリスルホン樹脂(ウルトラゾーンS)、及びポリフェニルスルホン樹脂(ウルトラゾーンP)の製品群の商標。高い耐熱性を持つ熱可塑性プラスチックで、エレクトロニクスや自動車、航空宇宙産業などで耐熱軽量部品の製造に幅広く使用されている。
麗水のプラントは、アジア初の同製品の製造設備として2014年に開設された。
今回の新ラインの稼働により、同製品の世界全体での年間製造能力は6000t増加の計2万4000tとなる。製造能力の拡大により、自動車、エレクトロニクス、水ろ過業界の高性能熱可塑性プラスチックに対する世界的な需要の増大に応える。
同社は「製造ラインが新たに増強されたことで、質の高い材料を確実に提供していける。特にアジアの需要家には、迅速な対応と地理的近接性によるメリットをもたらすだろう」と述べている。
現在同社では、ドイツのルートヴィッヒスハーフェンと韓国の麗水で同製品の製造を行っている。
都市化が進み浄水管理に対するニーズが増す中で、同社は、同製品がフィルター膜に理想的な材料だとして、水処理での脱塩や浄化に貢献できると期待している。
同社によると、同製品は、特性が変化することなく最高で220度までの熱に耐えられるほか、優れた化学的安定性を備えている。韓国・現代自動車「ヒュンダイix35」に採用されたほか、水ろ過膜や医療機器、エスプレッソマシーンなどの食品接触部品、電子レンジ対応の食器、高品質家電製品にも用いられている。