搬送ベルトはゴムや樹脂、スチールなど材質によって搬送物の種類や求められる機能もさまざまである。
このうち、ゴム搬送ベルトは、鉄鉱石や石炭、セメント、製品や部品などの物資を運ぶために用いられ、世界各地で活躍している。日本ベルト工業会の統計によると、昨年のゴムコンベヤの生産量(内需と輸出の合計)は1万4557tで横ばいだった。内需は鉄鋼やセメントなどが回復傾向で推移し、1万145tで同7%増となったのに対し、輸出は資源国向けが依然低調で4413トンの同14%減。今年(1~2月)の累計を見ると、内需は前年同期比12%減、輸出は同1%減で総合計は同8%減と本格回復には至っていない。
そうした中で、国内のコンベヤベルトメーカーは、特徴のある製品で市場の掘り起こしを狙っている。例えば、バンドー化学では、高温搬送用途で使用可能な自己消炎性を有する、難燃耐熱コンベヤベルト「FR7000」シリーズに注力。横浜ゴムは環境保護と経済性を両立させたコンベヤベルトの研究開発を進めている。
一方、樹脂搬送ベルトは依然堅調な伸びが続いている。主要分野である食品や物流向けの販売が増えているためだ。さらに、段ボールなどの紙工向けや繊維向けも比較的安定しており、樹脂搬送ベルトの堅調さを下支えしている。
食品向けは製菓や製パン、肉や魚などの農産物、食品包装機械などに使われるが、いずれの分野も順調だ。食の安全・安心への要求が続く中で、樹脂ベルトメーカー各社は異物混入防止や衛生性の高い製品に注力している。今年6月に開催され