信越ポリマーの2018年3月期連結決算は、売上高が793億4300万円で前年同期比7・3%増、営業利益が72億600万円で同30・7%増、経常利益が72億7400万円で同22・6%増、当期純利益が54億5500万円で同28・9%増となった。
主力製品と新製品の拡販に注力した営業活動や、国内の4子会社の吸収合併、国内外の能増に向けた積極的な設備投資が奏功し、増収増益となった。
セグメント別に見ると、電子デバイス事業では、自動車関連入力デバイスなどで順調な出荷が続き、売上が前年度を上回り、利益は大幅に伸長した。
主力の入力デバイスは、自動車電装スイッチの種類が増え、搭載車種も拡大し、キースイッチの出荷が好調に推移した。
一方、薄型ノートパソコン用タッチパッドは、パソコン市場が停滞する上、新機種の受注を得られなかったため、振るわなかった。
ディスプレイ関連製品は、液晶接続用コネクターに回復の兆しが現れたが、視野角制御フィルム(VCF)のATM用途が振るわなかった。
コンポーネント関連製品は、主力の電子部品検査用コネクターがスマートフォン用部品の生産調整の影響を受けたが、その他の用途に拡販できた。
この結果、電子デバイス事業の売上高は195億5400万円で同4・9%増、営業利益は15億2900万円で同29・3%増となった。
精密成形品事業では、半導体関連容器の出荷が好調に推移し、売上げが前年度を上回り、利益も伸びた。
半導体関連容器は、半導体業界の旺盛な需要を背景に、主力の300mmウエハー用製品に加え、小口径用製品の出荷も好調に推移し、売上を大きく伸ばした。
OA機器用部品は、主力のレーザープリンター用現像ローラの出荷が回復に向かったが、売上げは前年並みとなった。
キャリアテープ関連製品は、自動車向け半導体の好調さに加え、スマートフォン向け電子部品などの需要が回復して、売上げを伸ばした。
シリコーンゴム成形品は、主力のメディカル関連製品が堅調に推移したが、売上げは伸びなかった。
この結果、精密成形品事業の売上高は343億6900万円で同10・6%増、営業利益は50億5700万円で同12・3%増となった。
住環境・生活資材事業では、市場環境が非常に厳しい中、価格改定や効率化の努力と新製品の拡販により、売上は前年度を上回り、黒字転換した。
ラッピングフィルムなどの包装資材関連製品は、食品スーパーマーケット向け、外食産業向けの出荷が伸びず、価格改定も厳しく、売上は横ばいだった。
塩ビパイプ関連製品は、競争が激しい中、価格改定を進めながら受注量を確保して、売上を伸ばした。
機能性コンパウンドは、自動車用とロボットケーブル用の出荷が好調に推移し、売上を大きく伸ばした。
外装材関連製品は、市場低迷の中、新規取引先の開拓や製品ラインナップ拡充により、売上を伸ばした。新製品の導電性ポリマーが、帯電防止剤や電子部品向けに大きく伸長した。
これにより、住環境・生活資材事業の売上高は187億300万円で同8・3%増、営業利益は4億4800万円(前期は1億1600万円の損失)となった。
その他の工事関連では、首都圏を中心に商業施設の新築・改装物件、公共施設の内装物件の安定的な受注に努めたが、売上げは前年度を下回った。
なお、報告セグメントに含まれない新規事業開発関連はその他に含めている。
以上の結果、その他の売上高は67億1500万円で同3・9%減、営業利益は1億7100万円(前期は5800万円の損失)となった。
19年3月期の連結業績予想については、現時点では合理的な業績予想の算定が困難であるとして、公表していない。