独ランクセスは5月8日、2018年度第1四半期の業績を発表した。
2018年度第1四半期の連結売上高は25億6500万ユーロで、前年同期比7%増(前年同期24億100万ユーロ)となった。特別項目を除いたEBITDAは3億7500万ユーロで、同14%増(同3億2800万ユーロ)となった。
特別項目を除いたEBITDAマージンは14・6%で、前年同期より1%増となった。純利益は9600万ユーロで、同23%の大幅増(同7899万ユーロ)を記録した。
為替のマイナスの影響を受けたにも関わらず、過去最高の四半期の業績となった。
部門別では、アドバンスト中間体部門の2018年度第1四半期の売上高は5億6300ユーロで同8・7%増(同5億1800万ユーロ)となった。特別項目を除いたEBITDAは1億200万ユーロで、同12・1%増(同9100万ユーロ)となった。製品価格の調整が寄与した。特別項目を除いたEBITDAマージンは18・1%(同17・6%)となった。
スペシャリティアディティブス部門の売上高は、4億9600万ユーロで、前年同期の2倍以上(同2億3900万ユーロ)となった。特別項目を除いたEBITDAは8100万ユーロで、同84・1%増(同4400万ユーロ)となった。買収したケムチュラ社の添加剤事業の統合が大きく業績に貢献した。特別項目を除いたEBITDAマージンは16・3%で、同15・5%増(同16%)となった。
パフォーマンスケミカルズ部門の売上高は3億3600万ユーロで、同8・7%減(同3億6800万ユーロ)となった。特別項目を除いたEBITDAは5200万ユーロで、同11・9%減(同5900万ユーロ)となった。為替のマイナス影響と二酸化塩素消毒ソリューション事業の売却により売上高と利益が減少した。特別項目を除いたEBITDAマージンは、15・5%(同16%)となった。
エンジニアリングマテリアルズ部門の売上高は3億9300万ユーロで同24・8%の大幅増(同3億9300万ユーロ)となった。特別項目を除いたEBITDAは7300万ユーロで、前年同期の50%以上の大幅増(同4800万ユーロ)となった。製品価格の値上げ、昨年買収したウレタン事業の貢献、設備稼働率の向上により、収益が増加した。特別項目を除いたEBITDAマージンは、18・6%(同15・2%)と大幅増となった。
アランセオ部門の売上高は7億5700万ユーロで、好調だった前年同期に比べ20・1%減(同9億4800万ユーロ)となった。特別項目を除いたEBITDAは、1億1100万ユーロで同22・9%減(同1億4400万ユーロ)となった。為替のマイナスの影響が主な要因となった。特別項目を除いたEBITDAマージンは、14・7%(同15・2%)となった。
この業績について同社のマティアス・ツァハトCEOは「ランクセスは引き続き、成長軌道を邁進している。新年度に好調なスタートを切り、さらに収益性を向上した。これは、これまでの取り組みが成果として現れていることを示している」と述べた。
この業績を受け、同社グループは2018年度通年の業績予測を引き上げ、特別項目を除いたEBITDAは、「新ランクセス」の事業部門(アドバンスト中間体、スペシャリティアディディブス、パフォーマンスケミカルズ、エンジニアリングマテリアルズ)において 5~10%増加すると見ている。当該部門の前年度の特別項目を除いたEBITDAは約9億 2500万ユーロだった。3月に行われた年次業績発表では、2018年度通年の特別項目を除いたEBITDAは微増するとの予測を発表していた。
なお、ランクセスとサウジアラムコ社による合成ゴムの合弁会社であるアランセオ部門は、2018年度の業績予測には含まれず、2018年度第2四半期よりその他の4事業部門から切り離し、非継続事業として引き続き連結決算の一部として報告されることになっている。