東海カーボンの2018年12月期第1四半期連結決算は、売上高が415億9500万円で前年同期比72・6%増、営業利益は127億8700万円で同617・8%増、経常利益は127億6100万円で同533・4%増、四半期純利益は92億6700万円で同477・5%増と、大幅な増収増益となった。
カーボンブラック事業部門は、対面業界であるタイヤおよび自動車業界の生産が堅調に推移し、国内外での販売量増加、原料油上昇に伴う価格改定の実施等により、前年同期比で増収増益となった。同事業部門の売上高は同25・8%増の142億7600万円となり、営業利益は同90・4%増の28億1600万円となった。
黒鉛電極事業部門は、黒鉛電極の世界的な需給逼迫が続き、同社ではフル稼働が続いた。また世界的な市況上昇に加え、昨年11月より北米新拠点が連結業績に寄与したため、前年同期比で売上高、営業利益ともに大幅に増加した。同事業部門の売上高は同230・6%増の169億8400万円となり、営業利益は同5813・5%増の85億5800万円となった。
ファインカーボン事業部門では、一般産業用市場が堅調に推移し、太陽電池および半導体市場も成長が続いた。世界的に特殊黒鉛素材の需給バランスがタイトとなっており、同社の特殊黒鉛素材生産設備は高稼働を維持し、販売価格も上昇した。これにより、同事業部門の売上高は同14・7%増の38億9300万円となり、営業利益は大幅増の7億800万円となった。
工業炉および関連製品事業部門のうち、工業炉の売上高は、主要な需要先である情報技術関連業界向けおよびエネルギー関連業界向けとも設備投資が進み、前年同期比大幅増となった。
発熱体その他製品の売上高は、中国の電力インフラ向けで減少したものの、電子部品業界向けの需要が堅調に推移したため前年同期比増となった。営業利益については、工業炉ならびに中国子会社の業績向上が寄与し前年同期比増となった。
これにより、同事業部門の売上高は同120・6%増の26億6300万円となり、営業利益は同224・1%増の6億3300万円となった。
その他事業部門では、摩擦材は、鉱山機械や油圧ショベルなどの建設機械向けや産業用ロボットを含む工作機械向けの需要好調が続き、売上高は同13・0%増の22億9600万円となった。
負極材は、リチウムイオン二次電池用負極材の市場が、CO2排出規制の強化、米国でのゼロエミッション車規制の対象メーカー拡大、中国での新エネルギー車施策の導入等により拡大している。これにより、負極材の売上高は同54・8%増の14億3900万円となった。不動産賃貸などその他の売上高は、同27・8%減の4200万円。
以上により、同事業部門の売上高は同25・1%増の37億7800万円、営業利益は同53・2%増の3億2000万円となった。
通期の連結業績予想については、売上高は黒鉛電極の価格上昇やカーボンブラックの販売量増加などにより、また、利益は黒鉛電極の売価上昇やカーボンブラックの増収効果などにより、当初予想を大幅に上回る見込みとなったことから、いずれも上方修正した。
売上高は1940億円で前期比82・6%増(当初予想比200億円増)、営業利益は637億で同454・5%増(同207億円増)、経常利益は648億円で同389・1%増(同208億円増)、当期純利益は468億円で同296・1%増(同168億円増)を見込んでいる。