ソルベイは5月18日、高機能ポリマー「ソレフ90615/2002ポリフッ化ビニリデン(PVDF)」を発表した。
同製品は、石油・ガス掘削で使用される鋼管、フレキシブルライザー、自噴線の性能を高めることを目的としている。特徴としては、優れた延性、最大温度150度の熱安定性、油田において耐薬品性があり、陸上と沖合両方の石油輸送における高温・高圧環境下でも信頼できる性能を発揮することができる。
同社のスペシャルティポリマーズ・グローバル・ビジネス部門のマーケット・マネージャーを務めるマイク・オブライエン氏は、同製品について「高機能特性を独自に組み合わせた樹脂であり、設計の選択肢が増え、石油・ガス掘削設備の耐用年数が延び、パイプの寿命を通じて運用コストが削減される」と述べている。
同製品を材料としたライナーは、延性と弾性に優れ、鋼管に容易に挿入できる。挿入後もPVDFライナーは耐薬品性と耐食性が高く、また低粘着性で表面が極めて平滑であるため、長期にわたって安定した流動性と流量の確保が実現できる。同社の新しいPVDFグレードは、腐食防止剤や抗菌剤などの添加剤の必要性も低減されている。同製品は熱的機械的特性と、メタンや硫化水素などに対する耐ガス透過性に優れており、ライナーの長期的な総合性能を向上させる。
また、同製品は延性に優れ、特に高圧用途におけるフレキシブルパイプの圧力シース材料として効果的となる。マイナス30~150度の温度範囲で信頼性の高い性能を発揮し、低温の環境における取り付け時の破断リスクを軽減し、新たにドリル加工された高温の現場での用途が拡大する。最大1500barの急速ガス減圧までブリスター耐性がある。