クラレの2018年12月期第1四半期連結決算は、売上高が1491億5800万円で前年同期比18・1%増、営業利益は233億円で同2・3%増、経常利益は228億9100万円で同3・7%増、四半期純利益は157億2500万円で同3・0%増となった。
セグメント別では、まずビニルアセテート部門は、売上高が691億8400万円で同8・3%増、営業利益は157億3800万円で同1・8%減となった。
各事業とも順調に販売を伸ばしているものの、有形固定資産の減価償却方法と耐用年数、全社共通費の配賦方法を変更したことにより、営業利益はマイナスの影響を受けた。
製品別では、ポバール樹脂は、昨年より本格稼働を開始した北米工場が寄与し、北米市場で販売が増加したものの、原燃料価格上昇の影響を受けた。光学用ポバールフィルムは販売量が増加した。水溶性ポバールフィルムは数量が拡大した。PVBフィルムは販売量が増加したが、原燃料価格上昇の影響を受けた。
EVOH樹脂「エバール」は、食品包装用途、自動車ガソリンタンク用途ともに販売量が拡大し、好調だった。
イソプレン部門は、売上高が146億2600万円で同3・4%増、営業利益は43億1300万円で同7・5%減となった。
イソプレン関連では、ファインケミカル、液状ゴムは販売が拡大し堅調に推移したものの、熱可塑性エラストマー「セプトン」は、販売量が減少した。
耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は、自動車用途、コネクタ用途、LED反射板用途のいずれも販売が拡大した。
機能材料部門は、売上高が312億3700万円で同120・1%増、営業利益は25億200万円で同14・9%増となった。今回の第1四半期連結会計期間より、カルゴン・カーボン社の業績を含んでいる。
メタクリルは、好市況が継続したが、樹脂の一部用途が低調だった。メディカルは、歯科材料のジルコニア系製品の拡充が寄与し、好調だった。カルゴン・カーボンは販売が順調に推移したが、炭素材料は汎用用途の販売量が減少した。
繊維部門は、売上高が166億6500万円で同5・6%減、営業利益は9億3400万円で同49・7%減となった。
人工皮革「クラリーノ」は、スポーツシューズ向け出荷が減少し、低調に推移した。ビニロンは一部用途での出荷時期のずれによる数量減に加え、原燃料価格上昇の影響を受けた。生活資材は総じて順調に推移した。
トレーディング部門は、売上高はが324億5400万円で同2・0%増、営業利益は11億2600万円で同11・6%増となった。
繊維関連事業のテキスタイルは、衣料分野のスポーツ用途とユニフォーム用途が堅調に推移し、海外縫製事業も販売が拡大した。樹脂・化成品関連事業は輸出を中心に順調だった。
その他事業は、売上高が127億7600万円で同9・3%増、営業利益は新事業の研究開発費の増加などが影響し2億9500万円で同68・1%減となった。
通期の連結業績予想は、売上高のみを直近の発表から上方修正し、売上高が6100億円で前期比17・7%増(当初予想比700億円増)、営業利益が770億円で同0・8%増、経常利益が750億円で同1・0%増、当期純利益が490億円で同10・0%減を見込んでいる。