ブリヂストン
国内好調も海外で減益
ブリヂストンの2018年12月期第1四半期連結決算は、売上高が8598億円で前年同期比1%増、営業利益は998億円で同3%減、経常利益は927億円で同4%減、四半期純利益は634億円で同7%増となった。
タイヤ部門、多角化部門のいずれも売上高が前年同期をやや上回ったものの、販管費や原材料費が利益を押し下げ、営業・経常利益は減益となった。
営業利益の増減要因を見ると、売値MIX数量他のプラス99億円、為替のプラス20億円に対し、販管費でマイナス90億円、原材料でマイナス40億円、減価償却費でマイナス20億円となり、差し引きで前年同期に比べ31億円のマイナスだった。
タイヤ部門の売上高は7150億円で同1%増、営業利益は963億円で同1%増、多角化部門の売上高は1497億円で同2%増、営業利益は37億円で同52%減。
所在地別業績では、日本の売上高は2685億円で同5%増、営業利益は380億円で同15%増、米州の売上高は4089億円で同2%減、営業利益は425億円で同8%減、欧州・ロシア・中近東・アフリカの売上高は1428億円で同6%増、営業損失は6億円(前年は49億円の利益)、中国・アジア大洋州の売上高は1600億円で同1%増、営業利益は173億円で同14%減となっている。
上期のタイヤ販売数量は、第1四半期は欧米での前年駆け込み需要影響等により、PSRは対前年若干の減、TBRは前年並みとなり、ORR超大型、大型は対前年比伸長したのに対し、上期ではPSR、TBR、ORR超大型、大型のいずれも概ね計画並みの販売を見込んでいる。
売値・原材料は第1四半期実績・上期見込みともに、売値は増益要素で、原材料とのスプレッドもポジティブであるものの、売値・原材料の影響は概ね計画並みとなる見通し。
住友ゴム
内外ともに販売好調
IFRSを適用している住友ゴム工業の2018年12月期第1四半期連結決算は、売上収益が2127億円で前年同期比11%増、事業利益は143億円で同17%増、営業利益は140億円で同18%増、四半期利益は77億円で同10%減だった。
事業利益の増減要因は、タイヤ事業は原材料でマイナス22億円、価格でプラス55億円、数量・構成他でプラス9億円、直接原価でプラス4億円、固定費でマイナス15億円、為替でプラス2億円、経費でマイナス19億円となり、14億円のプラスとなった。
これにスポーツ事業のプラス7億円、産業品他のゼロを加えると、合計ではプラス21億円となる。
原材料のマイナス22億円の内訳は、天然ゴムがプラス28億円、石油系がマイナス43億円、他がマイナス7億円となっている。
地域別では、日本は売上収益が925億円、事業利益は20億円、アジアは売上収益が408億円、事業利益は72億円、その他は売上収益が793億円、事業利益は51億円。
セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は1813億円で同9%増、事業利益は114億円で同14%増、スポーツ事業は売上収益が208億円で同23%増、事業利益は18億円で同66%増、産業品他の売上収益は106億円で同10%増、事業利益は10億円で同1%減。
タイヤ事業のうち、国内市販用タイヤは、「ダンロップ」ブランドで高付加価値商品の拡販に努め、「ファルケン」ブランドで高性能タイヤの拡販を推進したほか、年初の降雪の影響で冬タイヤの出荷が好調に推移したこともあり、売上収益は前年同期を上回った。
国内新車用タイヤは、自動車生産台数が前年同期並みで推移したものの、低燃費タイヤを中心とする高付加価値タイヤの拡販により販売数量が増加したため、売上収益は前年同期を上回った。
海外市販用タイヤは、景気の拡大が継続する欧州を中心に販売数量が増加したことに加え、タイヤ販売会社を取得したことによる英国市場での販売数量の増加により、売上収益は前年同期を上回った。
海外新車用タイヤは、中国での自動車生産台数減少による影響はあるものの、欧州、北米のほか、新興国で納入を更に拡大したこともあり、売上収益は前年同期を上回った。
横浜ゴム
アジア好調で増収
IFRSを適用している横浜ゴムの2018年12月期第1四半期連結決算は、売上収益が1492億円で前年同期比2%増、事業利益は117億円で同8%増、営業利益は141億円で同28%増、四半期利益は93億円で同18%増となった。売上収益は第1四半期ベースで過去最高となった。
事業利益の増減要因は、為替でプラス4億円、原料価格でプラス4億円、販売量でマイナス13億円、製造原価でプラス3億円、価格/MIXでプラス23億円、固定費でマイナス11億円となり、タイヤ事業の事業利益は前年同期に比べプラス5億円だった。
これにATG事業のプラス2億円、MB事業のプラス3億円、その他事業のマイナス1億円を加えると、合計でプラス9億円の増益となった。
原料価格の内訳は、天然ゴムがプラス11億円、合成ゴムがプラス7億円、配合剤がマイナス12億円、その他がマイナス2億円。また、販売量の内訳は、販売量でマイナス14億円、変動費でプラス1億円だった。
事業別では、タイヤ事業は売上収益が1042億円で同1%増、事業利益が80億円で同7%増、MB事業は売上収益が263億円で同1%増、事業利益が17億円で同22%増、ATG事業は売上収益が169億円で同13%増、事業利益が19億円で同9%増。
タイヤ事業に関しては、新車用タイヤの販売が中国を含めアジアで好調で、売上収益は前年同期を上回った。
市販用タイヤの販売は、国内では冬季に降雪が多かったためスタッドレスタイヤの新商品を中心に冬用タイヤが好調だったが、海外では一部地域で比較対象となる前年同期に値上げ実施前の一時的な販売増加があったこともあり、売上収益は前年同期を下回った。
東洋ゴム
北米で営業益25%減
東洋ゴム工業の2018年12月期第1四半期連結決算は、売上高が937億円で前年同期比4%減、営業利益は106億円で同13%減、経常利益は85億円で同15%減、四半期純利益は67億円で同14%増だった。
営業利益の増減要因は、事業譲渡でマイナス3億円、販管費でマイナス15億円、製造コストでマイナス9億円、為替でマイナス2億円、原材料でゼロ、販売要因でプラス13億円となり、合計で前年同期に比べマイナス15億円となった。
事業別では、タイヤ事業の売上高は808億円で同3%増、営業利益は115億円で同2%減、自動車部品事業の売上高は129億円で同33%減、営業損失は9億円(前年同期は3億円の利益)。
所在地別では、日本は売上高が278億円で同15%減、営業利益が67億円で同1%減、北米は売上高が451億円で前年並み、営業利益は21億円で同25%減、その他の売上高は208億円で同3%増、営業利益は16億円で同14%減だった。
地域別のタイヤ生産量は、日本が3万2800tで構成比53・7%、北米は1万7700tで同29・0%、アジアは1万600tで同17・3%を占めた。
地域別のタイヤ販売本数の構成比は、北米市販が30・2%、欧州市販が21・8%、国内外新車が17・4%、国内市販が14・0%、東南アジア市販が9・1%、海外その他市販が7・6%。新車合計で17・4%、市販合計では82・6%となった。
また、地域別タイヤ販売本数の伸び率は、前年同期を100とした場合、国内外新車は前年並み、国内市販は6%減、海外市販は2%減で、合計では2%減。海外市販の内訳は北米が4%減、欧州が7%増、東南アジアが14%減となっている。