上場ゴム企業の18年3月期 22社中21社が増収に 

2018年05月24日

ゴムタイムス社

 主要上場ゴム企業の2018年3月期連結決算が出揃った(日東化工のみ非連結)。JSR・日本ゼオンの合成ゴム大手2社を含む22社の決算は、世界経済の回復基調を背景に、増収企業が前年同期の10社(45%)から21社(95%)へ大幅に増加した。一方、利益面は原材料コスト増加などが利益圧迫要因となったこともあり、営業増益企業数は15社(68%)から11社(50%)に減少した。

 22社合計の売上高は3兆5237億6000万円で同一企業との前年同期比6・8%増、営業利益は2405億1000万円で10・2%増、経常利益は2620億6100万円で同11・7%増、当期純利益は1451億2200万円で同6・5%増となった。

 売上高は、日東化工を除いた21社が増収となり、増収企業は前期に比べて11社増えた。米国や中国、東南アジアなど海外事業が好調だったことや、18年初まで為替が円安基調で推移したことで増収となる企業が多かった。

 営業利益については、増益企業数が前期から4社減った。販売自体は伸びているものの、原材料であるナフサ・ブタジエン・天然ゴム・合成ゴムの価格が上昇基調にあったことが利益を押し下げる要因になったと見られる。

 また、不採算事業の縮小や製品構成の見直しなどを進める企業がある中で、セグメントごとに好不調の波が大きかった企業もあった。このため、全体として減益となった企業数は11社で、前期と比べると4社増える結果となった。

 経常利益に関しては、営業増益に伴い増益となった企業数は14社と全体6割弱を占めたものの、前期に比べると2社減った。

 増収企業のうち、売上高が2桁増となったのは、日本ゼオン(15・7%増)、朝日ラバー(15・7%増)、ニッタ(13・4%増)の3社で、前期の相模ゴム工業の1社から2社増加した。

 営業利益では、日本バルカー工業(32・2%増)、藤倉ゴム工業(30・1%増)、日本ゼオン(26・4%増)、NOK(23・2%増)など2桁増の企業は8社で前期と同一だった。

 2桁増益の企業を見ると、合成ゴム大手2社のように原材料価格上昇に伴う価格改定により利益が大幅に改善した

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