ベルト3社の18年3月期 全社が増収営業増益に

2018年05月30日

ゴムタイムス社

 ベルト3社の18年3月期連結決算が出揃った。自動車用の伝動ベルトが海外で堅調に伸ばした上、一般産業用では工作機械向けが活況、農機向けも東南アジアを中心に伸長した。さらに、国内では食品や物流向けの搬送ベルトが堅調に推移。全社増収営業増益となり、各社とも好調な決算となった。

〈バンドー化学〉
 バンドー化学の売上高は912億6300万円で前期比3・3%増、営業利益は63億3600万円で同7・5%増、経常利益は65億9800万円で同0・4%増、純利益は47億9500万円で同3・1%減となった。

 自動車部品事業については、国内では補機駆動用伝動ベルトの販売は増加したが、顧客の海外現地調達化の影響などで、補機駆動用伝動システム製品の販売が減少した。

 一方、海外では主要顧客の韓国メーカーの中国向けの生産台数が落ち込み、それに伴い中国向けの販売は減少した。ただ、アジア地域で積極的な顧客開拓に注力したことで、補機駆動用伝動ベルト、補機駆動用伝動システム製品およびスクーター用変速ベルトなどの販売が増加した。

 この結果、自動車部品事業の売上高は417億100万円で同3・4%増、セグメント利益は32億6300万円で同11・1%増となった。

 産業資材事業は、一般産業用伝動ベルトは、中国で農機用伝動ベルトなどは販売が減少したが、アセアン地域、米国および欧州における販売強化により農機用伝動ベルトや産業機械用伝動ベルトの販売が増加した。

 国内では、ロボットをはじめとする設備投資が増加したことで、産業機械用伝動ベルトおよびプーリの販売が増加。一方、運搬ベルトは、採算重視の選別受注を進めた他、国内の石炭火力発電所向けなどの案件が減少し、ゴムコンベヤベルトの販売が減少した。

 以上の結果、産業資材事業の売上高は323億6900万円で同2・9%増、セグメント利益は中国での農機用伝動ベルトの減少による影響が大きく、19億700万円で同4・2%減となった。

〈ニッタ〉
 ニッタの売上高は729億6000万円で前期比13・4%増、営業利益は48億6400万円で同13・4%増、経常利益は115億700万円で同19・1%増、純利益は91億6300万円で同16・2%増の増収増益だった。

 売上高は国内が同12%増、海外も同12%増となり、順調に推移した。国内は半導体製造装置向けや物流、ロボット、工作機械など1年を通して好調な業界に支えられて増収となった。海外は自動車、物流、繊維業界、地域別では米国や中国が順調だった。

 営業利益では、М&A関連費用や先行投資による償却費の増加、増産対応に伴う人件費の増加などがあったものの、増産効果による販売増や現場でのコストダウン活動などが寄与し、2桁の増益だった。

 ベルト・ゴム製品事業では、主力のベルト製品は、国内では物流向けや金銭機器向けの需要が堅調に推移したほか、食品や物流向けの搬送用も着実に売上を順調に伸ばした。海外では、物流、繊維業界向けが堅調だった。

 またゴム製品は、工作機業界向けのシール製品が堅調だった他、取扱商品もロボットや半導体関連業界向けが好調だった。
 この結果、同事業の売上高は264億5100万円で同8・3%増となった。ただ、先行投資による償却費の増加などで、セグメント利益は18億6900万円で同10・8%減となった。

〈三ツ星ベルト〉
 三ツ星ベルトの売上高は695億9400万円で前期比4・8%増、営業利益は84億2900万円で同1・8%増、経常利益は88億800万円で同3・8%増、純利益は62億5200万円で同6・2%減となった。

 国内ベルト事業については、自動車用ベルトは組み込みライン用

 

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