フコクは6月5日、齋藤祐二執行役員企画本部長が都内で17年度決算と18年度業績見通しなどを説明し、18年度以降は自動車産業の成長が著しいアセアン・インド市場に注力し売上・利益の拡大を目指していく計画を明らかにした。
17年度の連結売上高は752億2400万円で前期比6・5%増となった。増収要因について、「当社グループの主要顧客である自動車産業がグローバルで堅調に推移したことや、建機市場が想定よりも早く回復したこと、さらに円安基調による為替換算も後押しした」(齋藤執行役員)と説明した。
営業利益は28億2300万円で同8・9%減、経常利益は27億6000万円で同18・0%減。経常利益に関しては、昨年から推し進める構造改革「フコクリバイラルプラン(FRP)」に伴うコスト増や新規立ち上げの遅れ、さらに連結子会社の東京ゴム製作所で生じた自動変速機用「オイルホース」のリコール対応などにより、減益となった。
また、当期純利益はリコール関連損失や固定資産の減損などを計上したことから、2億4300万円の損失となっている。
なお、子会社の東京ゴム製作所への対応については、親会社として経営管理並びに内部統制システムの改善を進めることで監視・監督を強化していく。具体的には、品質レベルの向上とともに、同社の標準ルール「フコクルール」を移植し、品質保証体制を整備するとしている。
セグメント別では、売上の44・6%を占める機能品事業は、売上高が337億9800万円で同3・9%増、セグメント利益は25億4400万円で同7・0%減。グローバル生産体制に伴うコスト増や、タイの子会社がバーツ高の影響を受けるなど、様々な要因が重なり減益となった。
売上の37・2%を占める防振事業は、売上高が282億4400万円で同10・1%増、セグメント利益は27億5900万円で同7・8%減。中国の子会社が韓国自動車向けに納入する防振製品がTHHAD(サード)の影響で販売が落ち込んだことや、タイのバーツ高など同事業も複合的な要因により減益となった。
売上の9・0%を占める金属加工事業は、売上高が68億6200万円で同5・9%増、セグメント利益は1億800万円で同338・0%増。
売上の4・6%を占めるホース事業の売上高は、