独ランクセスの日本法人は6月14日、世界的な指揮者である小澤征爾氏が立ち上げた特定非営利活動法人「小澤国際室内楽アカデミー奥志賀(以下、OICMA)」への支援を今年度も継続すると発表した。
OICMAは、アジア圏の才能ある若手音楽家に弦楽四重奏を学ぶ機会を提供することを目的に、2011年に設立されたアカデミー。両者は2018年1月から12月までの1年間を期間とする支援契約を締結し、今年1月より支援を開始している。
ランクセスは社会的責任(CSR)活動の一環として同アカデミーを設立時より7年間継続して支援し、その活動のサポートを行ってきた。OICMAはこれまで、過去7年間に延べ168人に上る日本、中国、韓国など、アジアの若手音楽家の育成に取り組み、高い実績を積んでいる。今回の支援継続により、OICMAはより安定した運営基盤のもとに活動を行うことが可能となる。
OICMAは今年の主な活動として、アジアから25人の若手弦楽器奏者をオーディションにより選抜し、7月20日から7月27日まで長野県奥志賀で講習会を行う。また、演奏会を3公演予定しており、千秋楽のコンサートは、7月31日にトッパンホール(東京・文京区)にて開催する。
今回の支援継続について、アカデミーの理事長である小澤征爾氏は「従来、このような教育プログラムを支援してくれる企業は少ない。しかも、オーケストラやオペラではなく弦楽四重奏となるとなおさらだ。その中で、ランクセスの支援はとてもありがたいと感じている。弦楽四重奏というのはクラシック音楽の基本である。そういう意味で、この講習会は若い音楽家にとってとても良い機会になっている」と述べている。
また、同社の辻英男社長は「今年度も小澤征爾氏の活動を支援できることを大変光栄に思う。当社が世界で実施する教育支援活動は今年、10年目を迎えた。社会の発展の基盤となるのは教育であり、10年目の節目である今年、その意義をより強く感じている。ランクセスは、これからも若者の育成を推進していく」とコメントしている。