墨東ゴム工業会(堀田秀敏会長)は6月20日、東京都・墨田区のすみだ生涯学習センターで三木会を開催した。
会員、賛助会員ら約20人が参加した。
今回の三木会では、特定社会保険労務士の櫻井好美氏を招き「中小企業の働き方改革」と題して、講演会が開催された。
櫻井氏はまず、助成金の活用法を紹介し、2018年度に活用可能な助成金として、非正規従業員を正社員に転換すると1従業員当たり57万円が企業に助成されるキャリアアップ助成金の正社員化コースなど7種類の助成金を提案した。そのうえで、要件や手続きについても解説した。
続いて櫻井氏は日本の労働力の現状について、人口減少と高齢化が同時進行していることや、働きざかりの団塊ジュニア世代が介護を担う時代になったことなどを説明し、「働く人は増えません。人が増えれば何とかなるという考え方では、生き残れない」と働き方改革の必要性を訴えた。
具体的なポイントとして櫻井氏は、非正規雇用の処遇改善と長時間労働の是正が2021年までに法制化されることに言及し、「法律化の前に労働環境を整備しておかないと大変なことになる」とし、年間360時間を超える残業や正社員と非正規従業員の待遇差を解消するのが企業側の急務だと強調した。
そして働き方を実際に見直した企業の取り組み例を紹介し、参加者が感心してうなずく姿も見られた。
約1時間半に渡った講演会の終了後、閉会の挨拶で堀田会長は「良い働き方をどう定着させるかは大事な課題なので、きょうの話を参考にしていきたいと思う」と締めくくった。
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