横浜ゴムは2月28日、耐摩耗性能重視型トラック・バス用オールシーズンタイヤの新商品「710R」を本年3月より発売すると発表した。発売サイズは全10サイズで、価格はオープンプライス。
「710R」は耐摩耗性能と耐偏摩耗性能を大幅に向上させることによって経営者の求める経済性を追求しつつ、多くのドライバーが不安を抱える空荷時の安全性の改善をコンセプトに開発されたトラック・バス用オールシーズンタイヤ。
同日開催された記者会見で、山石昌孝社長は「新製品は横浜ゴム100年の技術力を盛り込んだ国内では10年ぶりとなる大型商品。経営者、ドライバー両方の要望を盛り込んだオールシーズンタイヤとなっている。先日発表した新中計GD2020では、生産財事業において、オフハイウェイタイヤを成長ドライバーとした事業拡大を目標に掲げている。新製品はその目標に向けての第一弾商品になる」と新製品を紹介した。
トレッドには新開発された6つの専用パターンを採用。ワイドトレッドデザインが耐摩耗性能を向上し、互い違いにブロックを配置した千鳥ブロックレイアウトや「Z」型のブロックを交差配置したセンター「Z」ブロックが偏摩耗を抑制する。
さらに、ワイドセンターブロックとワイドセンターグルーブが空荷時のグリップ力と排水性の向上に貢献している。
コンパウンドには耐摩耗性能に優れるポリマーとウェット性能に貢献するシリカを配合し、さらに新C’ROLL製法を採用することにより、従来品(ZEN 701ZE)に比べ、耐摩耗性能を20%以上向上させただけでなく、空荷時ウェット発進スリップ性能を57%改善した。同時に、ウェット制動性能や雪上性能も従来品同等レベル以上を確保した。
耐摩耗性能20%向上のうち10%以上、スリップ性能57%向上のうち27%が新開発されたコンパウンドにより寄与されている。
同社では、確実に耐摩耗性能の向上を実感するには、20%以上の性能向上が必要だとし、開発において20%以上の向上を目標とした。