グッドイヤーは3月15日、2018年のジュネーブ国際モーターショーにおいて、「オキシジェン」と名づけられたコンセプトタイヤを発表した。
このタイヤは、サイドウォール内で苔を生息させるという特徴を持ったユニークな構造を持っている。この開放的なタイヤの構造と洗練されたトレッドデザインは、路面から水滴や水分を吸収して循環させるため、光合成が起こり、空気中に酸素を放出する。
世界保健機関によると、現在、大気汚染を測定している都市地域に住む人々の80%以上がWHOの制限を超える水準のレベルの大気にさらされている。
グッドイヤーの「オキシジェン」コンセプトは、循環型社会の原則に触発され、材料の廃棄物、排出物、エネルギー損失を減らすことに重点を置きながら、空気の浄化、摩耗タイヤのリサイクル、自家発電機能、光速通信によるコミュニケーションなどのソリューションを特徴として、未来の都市景観にシームレスに統合されるように考案されている。
空気の浄化では、独自のトレッドを通して路面から水分を吸収、また、空気中の二酸化炭素を取り込み、サイドウォールに生息させた苔の光合成を促すことで酸素を放出。約250万台の車両が保有されるパリと同規模の都市では、これにより年間約3000トンの酸素を生成し、年間4000トン以上の二酸化炭素を吸収することになるという。。
摩耗タイヤのリサイクルでは、リサイクルタイヤのゴムパウダーを3D印刷した非空気圧構造を採用し、軽量で衝撃吸収性のある構造のため、高い耐久性、寿命を延ばすためのパンクフリーソリューション、最小限のメンテナンスを実現し、安心できるモビリティを提供する。
自家発電機能では、光合成で発生するエネルギーを取り込み、オンボードセンサー、人工知能処理装置、サイドウォールにあるカスタマイズ可能なストリップライトなどの内蔵電子機器に自家発電により電力を供給する。
光速通信によるコミュニケーションでは、可視光通信システムを使用して、光速で大容量のモバイル接続を実現する。