横浜ゴムは2月1日、北海道・旭川市のテストコース「北海道タイヤテストセンター」で、スタッドレスタイヤの性能を体感する試乗会を開催した。
試乗会では、スタッドレス、ウインター、オールシーズンの3種類のタイヤの比較や、トレッドパターンのないスリックタイヤを用いたコンパウンドだけでの性能比較、同じコンパウンドでトレッドパターンだけ変更したタイヤによる性能比較を行った。
今回、単純な旧商品と新商品の総合比較ではなく、コンパウンドだけ、パターンだけを同条件で比較することにより、技術別の性能を比較することができた。
まずは、トレッドパターンのないスリックタイヤで「スタッドレスタイヤIG60」のコンパウンドを使用したタイヤと、「ウインタータイヤV905」のコンパウンドを使用したタイヤで氷盤路でブレーキング比較を行った。両タイヤとも、スリックタイヤなので見かけはかわらない。そもそも、トレッドパターンがないタイヤが氷上で停止できるのかという心配もあったのだが、「IG60」は「V905」と比較して、20%も短く止まった。
また、雪上でも、8の字コースを周回してみたが、「V905」の場合、スピードが25キロを超えると制御が難しくなるのに対し、「IG60」の場合は、27キロまで旋回加速が可能であった。
トレッドパターンだけではなく、「ゴムの性能で止まる」という意味を身を持って体感することができた。
今度は、「IG50プラス」と「IG50プラス」のコンパウンドに「IG60」のトレッドパターンをつけたタイヤでの比較を行った。見かけのトレッドパターンは違うが、中身のゴムは全く同じなため、単純にトレッドパターンだけでの性能比較が可能となる。
氷盤路では、時速30キロ前後でブレーキを踏み、どの程度の距離で停止するかを体感した。「IG50プラス」が20mで停止したのに対し、「IG60」は17mで停止した。「IG60」はブレーキがすぐに効き、滑りながらも安定した走行ができた。また、雪上走行では、「IG50プラス」は28キロまでしか制御できなかったが、「IG60」は30キロまで粘った。
「IG60」は新トレッドパターンとコンパウンドに新開発の「プレミアム吸水ゴム」を採用したことにより、従来品に比べ氷上制動性能を15%、ウェット制動性能を5%向上したほか、性能の持続性、低燃費性能も従来品同等レベル以上を確保しただけでなく、静粛性にも配慮しパターンノイズとロードノイズを大幅に低減させている。
今回の比較により、「IG60」にはパターン技術とコンパウンド開発、それぞれに高い技術が搭載されていることが浮き彫りになった。