横浜ゴムは3月10日、2018年のモータースポーツ活動計画を発表した。
タイヤ事業のグローバル展開の一環と位置づけ、国内外での幅広いモータースポーツ活動を通して、ヨコハマタイヤの認知度向上を図るとともに、自動車産業およびモータースポーツマーケットの成長発展・活性化にも貢献していく。
FIAワールドツーリングカーカップ(WTCR)
「WTCR」は、2018年よりTCR規定で行われるツーリングカーのレース。同社は2006年から12年連続で「FIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)」をサポートしてきた実績が認められ、2018年、2019年のワンメイクサプライヤーに指定された。
供給タイヤはドライ用の「アドバンA005」とウェット用の「アドバンA006」で、タイヤサイズは250/660R18。今年は、モロッコ戦を皮切りに世界を転戦し、全9大会以上が予定されている。なお、TCR規定レースでは「WTCR」のほかに地域選手権の「TCRヨーロッパ」「TCRミドルイースト」や各国選手権の「TCR UK」「TCRポルトガル」「TCRベネルクス」など多くの地域や国でサポートすることが決定している。
フォーミュラレース
〈全日本スーパーフォーミュラ選手権〉
2016年からワンメイク供給を開始した「アジア最高峰のフォーミュラレース」である全日本スーパーフォーミュラ選手権へアドバンレーシングタイヤを継続サポートする。2018年は現行のミディアムコンパウンドに加えて、ソフトコンパウンドタイヤを追加した2スペックタイヤを供給。レース戦略に幅が生まれ、よりコンペティティブなレースが期待される。供給タイヤはドライ用の「アドバンA005」とウェット用の「アドバンA006」。タイヤサイズはフロント用が250/620R13、リア用が360/620R13。
〈全日本F3選手権〉
2011年からワンメイク供給を開始した全日本F3選手権に2018年も引き続きアドバンレーシングタイヤを継続供給し、日本で開催されているレースカテゴリーの中で最も長い歴史を有するこのカテゴリーの足元を支える。供給するタイヤはドライ用の「アドバンA005」とウェット用の「アドバンA006」。タイヤサイズはフロント用が200/50VR13、リア用が240/45VR13。
〈Super―FJ〉
JAFの地方選手権として、東北から九州までの主要サーキット毎に7つの地方選手権シリーズが設定され、激戦を繰り広げるSuper―FJ。2010年から9年目となる2018年も引き続きアドバンレーシングタイヤを継続供給する。国内フォーミュラカーレースの入門カテゴリーからトップカテゴリーまで幅広く支えていく。
スーパーGT
スーパーGTはメーカーのワークス勢が主力となるGT500と個性的なチームが競い合うGT300のふたつのクラスで競われる。GT500は2014年から行われているドイツツーリングカー選手権(DTM)との車両規則共通化が進められ、2017年から各チームともにダウンフォースの低減などを図った新規定に適合した車両を投入している。一方、GT300は自動車メーカーが製造販売する国際規格のFIA GT3マシンと日本独自のJAF―GT車両ならびにマザーシャシーが混在し、国内外のバラエティ豊かな車種が競い合う。
GT500では、2017年に引き続きコンドー・レーシングの「フォーラムエンジニアリングアドバンGT―R」、レクサス・チーム・ウェッズスポーツ・バンドーの「ウェッズスポーツ・アドバンLC500」、チーム・ムゲンの「モータル・ムゲンNSX―GT」の3チームをサポートする。GT300はグッドスマイル・レーシング&チームウキョウの「グッドスマイル初音ミクAMG」が2017年シリーズを制し、ヨコハマタイヤ勢が2年連続チャンピオンを達成。今年もチャンピオン獲得を目指して多くのヨコハマタイヤユーザーを支えていく。2018年もタイ戦を含む全8大会が組まれており各大会で多くの観客動員が見込まれている。
ツーリングカーレース他
欧州ではVLN耐久選手権(ニュルブルックリンク24時間レースも含む)、北米ではポルシェGT3カップチャレンジUSA、ポルシェウルトラ94 GT3カップチャレンジCANADA、日本で行われるインタープロトシリーズなど世界各地のレースや参加車両にアドバンレーシングタイヤを供給する。
ラリー
〈全日本ラリー選手権〉
2018年は全10戦で競われる全日本ラリー選手権。ターマック(舗装路)では「アドバンA052」、グラベル(非舗装路)では「アドバンA053」を中心としたラインアップでユーザーの走りを支える。
2017年はJN2のドライバーおよびナビゲーター(コドライバー)の両部門でヨコハマタイヤユーザーがチャンピオンを獲得した。また、最高峰のJN6で新井敏弘選手/田中直哉選手が2位、奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手が3位を獲得するなど他クラスにおいても優秀な戦歴を残している。2018年はより多くのクラスでチャンピオン獲得を狙う。なお、奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手は「アドバン」カラーマシンで参戦する。
スピード競技
〈全日本ジムカーナ選手権〉
2017年はPN1とSA1の2クラスでチャンピオンを獲得した全日本ジムカーナ選手権。今シーズンも「アドバンA050」「アドバンA052」の高性能を武器に、多くのクラスでチャンピオン獲得を目指す。またPN1チャンピオンである斉藤邦夫選手は2018年「アドバン」誕生40周年を記念して「アドバン」カラーマシンで参戦する。
〈全日本ダートトライアル選手権〉
「アドバンA053」をはじめ、軟質路面用「アドバンA031」や超硬質路面用「アドバンA036」など幅広い路面に対応したタイヤラインアップを武器に、2017年はPN1、SC1、Dの計3クラスでシリーズチャンピオンを獲得。トップクラスのDクラスを制した谷田川敏幸選手は「アドバン」とともに2013年から同クラス5連覇の偉業を達成した。谷田川選手は今年も「アドバン」カラーマシンで参戦する。
〈ヨコハマ・モータースポーツ・スカラシップ〉
横浜ゴムはモータースポーツ振興促進活動の一環として競技参加者を支援する「ヨコハマ・モータースポーツ・スカラシップ2018」を実施している。受付期間は2018年4月30日(当日消印有効)まで。同制度は登録したヨコハマタイヤユーザーを支援する制度で、競技の成績に応じてポイントを付与し、獲得ポイントによってヨコハマタイヤを支給する。対象競技などスカラシップの詳しい内容は専用サイトに掲載している。
その他のレース
〈オフロードレース〉
SUV用タイヤブランド「ジオランダー」を擁し、北米地域でのデザートレースやアジアで行われるアジアクロスカントリーラリーなど海外で開催されるオフロードレースに参戦する。
〈カートレース〉
国内カートレースの頂点に位置する全日本カート選手権の最高峰クラスであるOKクラスに参戦する。2017年は3台がヨコハマタイヤを使用し、第7戦、第8戦、第10戦で表彰台を獲得した。今年はヨコハマタイヤユーザーが5台に増加し、チームやドライバーと共に勝利を目指す。またジュニアカート選手権では2017年に引き続き、FP―ジュニアカデッツクラスをサポート。今年1月に発売したカデッツクラス向けドライタイヤ「アドバンSLJ(名称:ADJ)」をワンメイク供給する。海外でもアジア・カーティング・オープン選手権へのワンメイク供給を継続。またフィリピンなどのサーキットレースに向けて幅広くタイヤ供給を行っていく。
同社は今年も世界各国でのヨコハマタイヤ装着チームの活躍を支えていくとともに、モータースポーツ活動で得たデータを市販タイヤ開発に活かしていく。なお、イベントレポートやリザルトは、横浜ゴムのモータースポーツサイトやモータースポーツ専用の公式Facebookページやツイッター、YouTubeなどのSNSでも情報を発信していく。
グローバル・フラッグシップタイヤブランド「アドバン」が2018年に誕生40年を迎えるにあたり、40周年記念ロゴマークを制作した。様々なアイテムに使用し、40年に渡って愛され続けてきたヒットブランドであることを訴求していく。40周年記念ロゴマークは、ストリートやワインディングの一般走行からトップカテゴリーのレースまでドライバーの足元を支える「アドバン」の高い性能と力強さを大胆な毛筆で表現した。