横浜ゴムは5月30日、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「ジオランダー」のマッドテレーンの新製品「ジオランダーM/T・G003」の試乗会を開催した。
最初に、消費財開発本部の清宮眞二本部長代理が「新製品は企画、設計、開発、生産部門が一体となり開発した。特にオフロード性能は、タイにオフロードのテストコースを新設し、評価を重ね、開発を進めてきた。オフロードとオンロードの性能が両立した満足がいく製品になった」と新製品を紹介した。
「ジオランダーM/T・G003」は2004年発売の「ジオランダーM/T+」から13年ぶりとなる新製品。
特にオフロードユーザー向けの製品で、マッドやロック、ダート、砂利などあらゆる路面でのオフロード性能を追求するとともに、耐久性・耐摩耗性の向上による優れたロングライフ性能を追求した。
商品概要については、消費財製品企画部の政友毅部長が説明した。政友氏は、ジオランダーブランドの特徴について、「オンからオフまでカバーする豊富なサイズラインナップ、国内外のオフロードレースで培われたタフなオフロードイメージ、多くの新車装着用タイヤに採用されている技術力」の3点を挙げた。
新商品投入により、オンからオフまで全ての製品が刷新され、さらに幅広いユーザーニーズに応えるラインアップとなる。政友部長は「毎年、何かしらのジオランダーの新商品、ニュースを提供していきたい」と話し、今後も同カテゴリーに注力していく方針を示した。
続いて、消費財製品企画部タスクリーダーの小島弘行氏が商品企画について説明した。
新商品のターゲットには、「オフロードを走破するユーザーとドレスアップするユーザーの両方をターゲットにしたい」とし、商品コンセプトには、「SUV、ピックアップを引き立てるアグレッシブなルックスと高いオフロード性能」を挙げた。
ドレスアップユーザーが好んでつけたがる外観を目指しつつ、オフロード性能を進化させたという。性能面では、「より進化したオフロード性能、ロングライフ性能、静粛性」の3つをポイントとし、オンロードでの優れた快適性や静粛性を確保しつつ、耐摩耗性、耐久性の向上を目指した。 また、オフロード走行やドレスアップを楽しむカスタム嗜好のユーザー向けに、アグレッシブなトレッドデザインとサイドデザインを実現した。
搭載技術については、タイヤ第一設計部の吉田泰之氏が担当した。
トレッドパターンには、マッド、岩場路面で高いトラクション性能を発揮しつつ、オンロードではノイズも抑制する「ラージメッシュ・ラググルーブ」、サイプ配置を最適化する「シーケンシャルサイフ」、マッド路面での廃土性を向上させる「マッド&ストーンエジェクター」の3つの新パターンを採用した。
さらに、サイドデザインには、マッド、岩場路面で高いトラクションを発揮しつつ、耐カット性を向上させた「アグレッシブサイドブロック」を採用しただけでなく、トレッドからサイド部にかけて一貫性のあるデザインに統一し、オフロード感を演出している。コンパウンドには、耐摩耗性能と耐カット/チッピング性能を向上させる「G003専用コンパンウンド」を採用した。
FJクルーザーに従来品「G001C」と新製品をそれぞれ装着し、マッド路面の走行比較を行った。
新製品は、マッド路面でのオフロード性能の向上を実感することができた。
スタート時のトラクションも良く、従来品は泥を点で噛むような印象だが、新製品は泥を面で掴むようなイメージが感じられた。 廃土性も向上しており、従来品は泥があまり飛ばず、空転する場面が多かったが、新製品は泥が後方まで大きく飛び、傾斜もスムーズに走行した。
続いて、タンドラに新製品を装着して、岩盤路を走行した。
かなり傾斜のある岩場だったが、3トンオーバーの車が、ゆっくり歩くように岩場を上り切った。傾斜のある岩場でも、空転せず、トラクション、グリップ力を実感することができた。
一度滑り始めると、空転し、グリップが回復しないことが多いが、新製品は、岩をひっかくように、グリップ力が回復し、傾斜のある岩場を前進し続けた。
ジオランダーは横浜ゴムがグローバルで展開しているSUV・ピックアップトラック向けタイヤブランド。近年、世界中でSUV・ピックアップトラックの人気が高まる中、ジオランダー・シリーズの新商品投入を加速しており、今回の新製品を投入することで、よりユーザーから選ばれる高付加価値タイヤの販売拡大を目指す。
サイズは37×12・50R20 126Q~31×10・50R15 109Qの9サイズで、9月以降に順次サイズの追加を予定している。価格はオープン。