クラレ 過去最高の営業益に

2011年05月09日

ゴムタイムス社

決算説明する伊藤社長

クラレは27日、都内のKKRホテル東京で2011年3月期連結決算を発表した。売上高は3631億9100万円、前期比9・1%増の増収となり、営業利益は過去最高益を更新し530億9500万円、同74・4%増、経常利益は510億6200万円、同76・5%増の大幅増益となった。当期純利益は287億4200万円で同76・2%増となった。営業利益の増減要因は、原燃料価格の高騰で119億円、為替差損37億円が減益要因となったが、数量増(121億円)、操業度向上(96億円)、売値・銘柄構成(82億円)、償却費減(30億円)、コストダウン・経費削減(53億円)が増益要因となり、差引き226億円の増益となった。 決算発表に出席した伊藤社長は中期アクションプランの進捗状況について触れ「中計GSツインの最終年度の営業利益目標500億円を一年前倒しで達成でき、過去最高益を更新することができた。コア事業の世界戦略の加速や新事業の創出・拡大」などを推進し、アクリル系TPEのクラリティ、プラスチックシンチレーションファイバー(PSF)の需要増大などに結びついた」などと総括。 東日本大震災の被災状況については、鹿島事業所の操業を4月中は停止、その後5月中旬までは手持ち原材料の活用などで一部操業を開始し、5月中旬から6月下旬まで定期修理に入り、その後フル操業を開始する計画。震災の業績への直接影響については、売上高は10億円、営業利益への損失額は約3億円、特別損失は約10億円と分析した。事業別の売上高は、樹脂事業が1474億2900万円、同8・0%増、営業利益は508億4800万円、同29・9%増、化学品事業の売上高は757億円、同13・5%増、営業利益は86億7600万円、同323・5%増、繊維事業の売上高は615億9500万円、同5・9%増、営業損失2億2100万円、トレーディングは売上高は1151億6100万円、同12・2%増、営業利益33億400万円、同64・8%増となった。

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