信越ポリマーの2019年3月期第1四半期決算は、売上高が206億9700万円で前年同期比9・0%増、営業利益は18億1300万円で同7・8%増、経常利益は20億2500万円で同9・8%増、四半期純利益は14億3800万円で同14・6%増となった。
電子デバイス事業は、売上高が49億6800万円で同3・1%増、営業利益は3億1600万円で同20・4%減となった。自動車関連入力デバイスを中心に順調な出荷が続き、全体として売上げは前年を上回った。主力の入力デバイスは、自動車電装スイッチの種類や搭載車種の増加により、キースイッチとタッチスイッチの出荷が好調に推移した。一方、薄型ノートパソコン用タッチパッドは、新機種を受注したものの出荷立上げに至らず、回復しなかった。ディスプレイ関連製品は、液晶接続用コネクター、視野角制御フィルム(VCF)ともに低迷した。コンポーネント関連製品は、スマートフォン用部品の需要回復により電子部品検査用コネクターの出荷が伸び、その他製品も好調だった。
精密成形品事業は、売上高が90億7000万円で同12・1%増、営業利益は13億3800万円で同13・4%増となった。半導体関連容器の出荷が好調に推移し、全体として売上げは前年を上回り、利益も伸びた。半導体関連容器は、半導体業界の旺盛な需要を背景に主力の300mmウエハー用製品、小口径ウエハー用製品ともに高水準な出荷で推移し、価格改定もあり、売上げを大きく伸ばした。OA機器用部品は、主力のレーザープリンター用現像ローラの需要が伸びず、売上げは前年を下回った。キャリアテープ関連製品は、高級スマートフォン用電子部品の需要回復の兆しが現れたが、売上げは横這いだった。シリコーンゴム成形品は、主力のメディカル関連製品が堅調に推移して、売上げを伸ばした。
住環境・生活資材事業は、売上高が49億5400万円で同12・9%増、営業利益は9000万円で同146・7%増となった。塩ビ関連製品の市場環境が厳しい中、価格改定や生産効率化に努める一方、新規事業製品の拡販により、全体として売上げは前年を上回り、利益も伸びた。ラッピングフィルムなどの包装資材関連製品は、食品スーパーマーケット向けの一部に価格改定前の仮需があったものの、外食産業向けの出荷が伸びず、売上げは前年並みだった。塩ビパイプ関連製品は、競争が激しい中、価格改定を進めながら受注量を確保して、売上げを維持した。機能性コンパウンドは、自動車用とロボットケーブル用が好調な出荷を継続して、売上げを伸ばした。外装材関連製品は、市場低迷の中、新規取引先への拡販や製品ラインナップ拡充が奏功し、売上げを伸ばした。新規事業製品である導電性ポリマーは、帯電防止剤用途や電子部品用途で大きく伸長した。
その他は、売上高が17億300万円で同1・3%増、営業利益は6800万円で同0・1%増となった。工事関連では、首都圏を中心に商業施設の新築・改装物件、公共施設の内装物件を受注するなど、全体として、売上げは前年を上回った。
18年3月期決算段階では未定となっていた通期の連結業績予想については、売上高が830億円で前期比4・6%増、営業利益が77億円で同6・8%増、経常利益が80億円で同10・0%増、純利益が57億円で同4・5%増との見通しを示した。