横浜ゴムは7月31日、北米カーメーカー向けにカーエアコンの次世代冷媒として普及が進んでいるHFO-1234yfに対応したカーエアコン用ホースを開発したと発表した。今回開発したのは高圧用と低圧用のホースで、すでに現行型「Jeep® Wrangler」および「Jeep® Compass」に採用されている。
現在、カーエアコンの冷媒として広く使用されているHFC-134aは、地球温暖化への影響度合い(GWP=地球温暖化係数)が1,430と高いが、HFO-1234yfのGWPは4に抑えられており、地球温暖化防止の観点から切り替えを促進する動きが進みつつある。
しかし、HFO-1234yfは長期使用により徐々に分解が進み、酸を発生させる性質があるため、最内面に樹脂層を持つホースでは樹脂が腐食してしまうという問題があった。この対策として、樹脂材を改良する方法と樹脂と冷媒との接触を防ぐ方法があるが、北米カーメーカーの要望に応えるため、樹脂層の内面にゴム層を有するホース構造を採用した。
樹脂との接着性を改善した内面ゴムを開発することによって、冷媒と樹脂との直接の接触を防ぎ、樹脂の腐食・冷媒の漏えいを防ぐカーエアコン用ホースを開発した。
なお、今回開発したホースの内面ゴム材料は日本で特許を出願している。
横浜ゴムは自動車部品ビジネスのグローバル展開を推進しており、今後はラインアップの充実により、海外販売をさらに強化していくとしている。