宇部興産は7月31日、同社とマクセルホールディングス(マクセル)が、リチウムイオン電池用セパレータ事業を再編統合することに合意したと発表した。
宇部興産のセパレータ事業を両社の合弁会社である宇部マクセルに移管するとともに、新たに設立する合弁会社「宇部マクセル京都」が塗布型セパレータ製品の研究開発と塗布製造を行い、一連のセパレータ事業を両社が統合運営する。
電気自動車やハイブリッド車の普及拡大に伴い、リチウムイオン電池(LiB)の基幹部材であるセパレータの需要も拡大が予想されている。
宇部興産の乾式製法セパレータは、その機能と安全性から車載用LiBにおいて多くの採用実績があり、需要増大に対応すべく生産能力の増強を行っているほか、2011年にマクセルと合弁で宇部マクセルを設立し、塗布型セパレータの製造・販売事業を行っている。
宇部興産とマクセルは、車載用途に急成長が続くセパレータの市場において、合弁事業を一体運営することで更に拡大・発展させ、競争力を高めることにしている。
再編統合により、宇部興産のセパレータ事業を宇部マクセルに移管し、宇部マクセルは、塗布型セパレータ製品と無塗布セパレータ製品の製造、販売、研究開発を行う計画で、これにより、宇部マクセルは原膜からの一貫生産・供給が可能となり、塗布型・無塗布型を併せ持つ製品ラインアップへの拡充により、市場の幅広いニーズへの対応を図る。
また、新たに設立する宇部マクセル京都は、マクセルが磁気テープ事業において長年培ってきた独自の均一分散技術と精密塗布技術をさらに強化し、需要が急増する塗布型セパレータ製品の研究開発と塗布製造を行う。
新会社の宇部マクセル京都は、資本金5000万円で、今年12月に設立予定で、代表者は未定。出資比率は、マクセルが51%、宇部興産が49%。