東部ゴム商組 工業用品流通動態統計調査(詳報)

2018年08月01日

ゴムタイムス社

 東部ゴム商組の工業用品部会は7月24日、東京・銀座のホテルモントレ銀座で商工懇談会を開催し、第3回工業用品流通動態調査を発表した(本紙既報)。

 同組合では、ベルトホース部会が1982年からベルト・ホース流通動態調査を実施している。一方、工業用品部会で扱うゴム・シート・マットや成形品、押出品などは商品の種類や材料・製法が多岐にわたる。このため、分類の区分けが難しく、調査実施が難しいとされてきたが、部会員の協力により、3年前から工業用品流通動態調査の報告が行われるようになった。

 調査対象企業は工業用品部会員企業41社と同部会員選定の組合員企業19社の計60社に依頼。調査期間は17年4月~18年3月の1年間で、回答率は83%(50社)となっている。

 設問内容に関しては、ゴムシート・マット、切削・打抜品、成形品、押出品、ロール品、ライニング・引布、その他の製法別に分類し、売上や価格、販売上の問題点など12の設問に対して回答を求めている。

〈17年度の売上高〉
 全分類で取扱社数は増えている。どの分類でも売上高は前年に比べ「95%~105%未満」の回答が一番多く、前回の調査と変化はなかった。
 ただ、前年調査に比べ好調だったのは切削/打抜品と成形品の2分類。ゴムシート/マットは、前年調査では伸長2回答が減少2回答を15ポイントも上回っていたが、今回は逆に9ポイント下回る結果となった。年度後半における原材料不足を原因とする供給不足が影響したものと思われる。

17年度の売上高

17年度の売上高

〈17年度の市場価格の状況〉
 「問題ない」とする回答が前回調査同様に大勢を占めた。切削/打抜品や成形品に関しては、前年調査では落ち着いていたものの、今年は価格が乱れている。ライニングに関しては、前回よりも「乱れている」という回答がゼロになり、価格が落ち着いた。

17年度の市場価格の状況

〈18年度の売上高予想〉
 全分類で「95%~105%未満」が一番多い回答で前年調査と同じという結果となった。
 ただし、ゴム・シート/マット以外ではこの数値が減少し、増減両回答が前年よりも増えているのは今回調査の特徴。たとえば、ライニング・引布は増加数値が20%から17%に減少した。
「この質問は商品動向の格差傾向が出やすく、お客様の業界で良い、悪いがでてきているのではないか」(西山副部会長)と説明した。

18年度の売上高予想

18年度の売上高予想

〈販売上の問題点〉

 7分類ごとに、販売上の問題点を①価格競争②販売ルート③客先の要求④その他に大別して聞いた(複数回答)。問題点としては、価格競争と客先の要求、その他に集中している。価格競争では「同業他社との価格競争による粗利率低下、失注」との回答があり、客先の要求については「環境や品質管理対応」との回答があった。その他は「急ぎの納期が多い」との回答で、前回調査と比べ、ロール品で「急ぎの納期」が大幅に増えているのが特徴だった。

〈好調だと言われエチル需要分野の売上高前年比〉
 「半導体/液晶」、「物流」、「土木」、「ロボット」の4需要分野につき、好調度合を売上高の前年比で①20%以上のプラス②10%以上のプラス③5%以上のプラス④前年並み⑤前年比マイナス⑥当該分野の客先がいないなどで回答を聞いた。回答⑥を除くと、「半導体/液晶」31社、「物流」20社、「土木」38社、「ロボット」13社の回答があった。特に際立つのが「半導体/液晶」の好調さで「20%以上」と「10%以上」が各32%あり、「これに「5%以上」を加えると90%にのぼった。

 

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