JSRは7月30日、都内で2019年3月期第1四半期の決算説明会を開催し、宮崎秀樹取締役常務執行役員(6月15日に取締役に就任)が説明した。
IFRS基準による連結売上収益は1222億5700万円で前年同期比20・9%の増収となったものの、営業利益は114億8300万円で同9・6%の減益となった。親会社の所有者に帰属する四半期純利益は89億3900万円で同5・4%減益で増収減益となった。一方、対前四半期(17年度第4四半期)では売上収益13%増、営業利益も79%増となる増収増益を計上した。
宮崎取締役は、対前年同期で増収減益となったことについて、「ブタジエンの急騰と原料のナフサとのスプレッドが大きく拡大した16年度第4四半期の影響を受けた売買スプレッドの急拡大が17年度第1四半期にあり、営業利益が急拡大した経緯があった」とし、比較の上では大きな減益となったが、対前期比の営業利益は43%増となっており、18年度の計画に対して順調に進捗していることを強調した。
同社はこれまでエラストマー、合成樹脂、多角化の各事業を報告セグメントとしてきたが、ライフサイエンス事業の拡大に伴い今期から「ライフサイエンス事業」を新たに加え、ファイン事業を改め「デジタルソリューション事業」として4事業を報告セグメントとした。従来の石油化学系事業と多角化事業は廃止した。
エラストマー事業の売上収益は496億5300万円で同5%増となったが、営業利益は24億5200万円で同57%の大幅な減益となっている。
主な需要先となるタイヤの生産量前年比40%増となる環境下で、主にSSBRの数量拡大等により販売数量・売上収益が拡大したものの、主要原料のブタジエン価格の上昇等によるスプレッドの縮小により営業利益は大幅な減益なった。
合成樹脂事業の売上収益は264億円で同106%増、営業利益も21億7100万円で同53%増の増収増益となっている。
4月のテクノポリマーとユーエムジー・エービーエスとの統合会社「テクノUMG」の設立により売上収益および営業利益ともに前年同期を大きく上回った。
デジタルソリューション事業の売上収益は353